【多摩武道具】剣道界の隙間をアイディア商品で勝負!剣道具の小物製造を40年続ける幻の武道具店

2018年6月22日 • 剣道具・作り手のお話, 多摩武道具 • Views: 7120

東京・国分寺市で営業されている多摩武道具。実店舗・ネット販売はこれまでほぼ行っておらず、「欲しくても買えない」といったお声が多い武道具メーカーでした。商品はすべて、安達社長の手作り。紛れもない、メイドインジャパンの商品です。竹を切るところから全てご自身で作られているそう。

今回は日大剣道部出身の安達社長ならではの、アイディア商品を作られたきっかけや、商品のご説明をしていただきました!

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剣道具店を始めたきっかけ

安達「元々は、証券会社で勤務していたサラリーマンでした。友人二人で起業して、武道具屋をやっていた。順調に経営できていたのですが、信頼していた人間に裏切られて数千万単位の負債を負い、店をたたみました。悔しかったです。

けれども、剣道が好きでね。いまでも細々と剣道関連の商品を作っているんです。剣道防具を作るような経営体力はないから、作るものは基本的に小物です。大きい剣道メーカーが積極的に取り組まないであろう商品を中心に、一つ一つハンドメイドで作っています」

 

ー安達社長の剣道への愛を感じますね。ハンドメイドで作られている商品が、この価格で販売できているのは驚きます!

安達「買っていただけないと、意味がないですからね(笑)。お求めやすい価格を目指しています」

 

ーどんな思いでものづくりをされているのでしょうか?

安達幼稚園の頃から剣道を始める人を増やしたい。剣道人口の底辺を増やしたいというのが私の狙いです。中学生位までは剣道やったんだけれども、その後やめてしまう子供が多いみたいですね。これはあくまで一例ですが、私たちが子供の頃は初段を取るまで黒胴をつけられませんでした。今は小学生から黒胴をつけられてしまうので、初段を取った喜びが少ないのではないでしょうか。柔道は、初段をとって初めて黒帯でしょう。剣道も、黒胴を早く取りたいなぁと子供たちが憧れるような仕掛けが必要じゃないでしょうか。小学生までは赤胴とか青胴とかそういった色でいいと思います。こういった取り組みは、武道具店が主導でやるべきだと思いますね」

剣道具の開発秘話

 

Soft剣道具

ーどういったコンセプトでSoft剣道具を作られたのでしょうか?

安達「今は剣道人口減ってきています。幼稚園の頃に素振りばっかりやらせても面白くないでしょう。もう少しゲーム感覚というか、相手をひっぱたいて楽しいという感じにしないと、剣道の面白さに気付くきっかけすらないと思います。この前調べたんだけど、初段の取得者は非常に少なくなっています。由々しき問題です」

 

ー幼稚園から始める人を増やすというコンセプトは面白いですね!

安達「デザインは可愛めにしました。色もポップにしてね。野球もソフトボールがありますので、剣道もソフトにできることがあればいいと思いました。

私は全部自分でやってるんですよ。縫製も自分でやってますし、竹を切るところから自分でやっています。プラスチックの胴にしようと思ったんだが作りが安っぽくなってしまうからね」

 

ー竹から作っておられるのですか!それはすごい…。

安達「秩父の竹林を持っている友人がいるので、安く譲ってくれるんですよ(笑)。この商品は七五三のお祝いで買っていく人もいます。プレゼント用にも利用していただけると思います」 

錏(しころ)の開発秘話

安達「突き、怖いですよね。頸動脈に当たってしまって半身不随になってしまった剣道家の方もいらっしゃいます。これはなんとかしないといけないということで作ったのが錏です。

当時、他の武道具店は突き垂れを大きく作ることを考えていました。それでは突きが横にそれて首に当たってしまうと言う問題を回避することができません。そこで突き垂れとは別に首も保護できる商品を作りました

ー突きは怖いです…。こんな商品があったのですね!

安達錏を付けていると、突きを打たれるのが怖くなくなります。怖くて、下がってしまうということがなくなる。要するに、剣風が変わるんですね。腰が入った面が打てるようになったというお声をいただくことがあります

 

甲手下 手甲

安達「甲手下 手甲を作って、郁文館高校時代の恩師・岡憲次郎(おか・けんじろう)先生のところに持っていきました。『安達、お前こんなものを作るな!剣道は痛くて当たり前。臭くて当たり前。それが無くなったら剣道ではない』と仰った。岡先生が使っていらっしゃった僕は手刺しで分厚い。昔の防具は防御性に優れているので、痛くないんですよ。鹿毛だけを芯材で使っていましたので、クッション性があったんです」

 

ー現在とは痛さが違うと。

安達現在の普及品は綿が入っていますので、叩かれているうちにどんどんクッション性がなくなってきます。打たれるとものすごく痛いんですね。ミシンでガンガン量産したものだから、打たれた時の痛さが全然違うわけです。

痛いとか、臭いとかそういうことで剣道人口が減るのがもったいないと思うわけです」

 

ー手甲というネーミングはなにから来ているんですか?

安達「手甲はご存知ですか?時代劇などで男性が手に付けていますよね。あれをイメージして作りました。私も子供に剣道指導していたんですが、子供が振りかぶって小手を打ってくるとものすごく痛い。これはいかんということで作ったのが40年前です。以来ずっと売れてますね。うちのヒット商品です。

筒の部分だけではなくて、手の甲もガードしているというのがポイントです」

 

ー剣道界の隙間で勝負している多摩武道具。防具は作らないという面白いスタンスの会社でした!単なるアイディア商品ではなくて、安全・安心な剣道を広めるために苦心しておられる点が印象的でした。今後、手作りでものづくりをしておられる多摩武道具をしっかり応援していきます。本日はありがとうございました!

 

インタビュアー

BUSHIZO

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