コロナウイルスの関係で、ほとんどの方が剣道をしばらくお休みしなければならなかったことと思います。
ですが、ようやく自粛も解除になり、全日本剣道連盟からのガイドラインにのっとり、面マスクやフェイスガードなどを装着すれば、対人稽古も可能になりつつあります。
「やったー!剣道できる!」と稽古に飛んでいきたくなるかと思いますが、ちょっと待って。
しばらく使用していなかった竹刀は大丈夫でしょうか?弦がゆるんでいたり、どこかに不具合はあったりしないでしょうか?不具合があるままの竹刀を使ってしまうと、大きな事故やケガにつながる危険性があります。
剣道を安全に行うために、今回は、竹刀の点検と調整の仕方について、まとめました。
一方で、稽古しようと、剣道具を取り出してみたら「カビが生えている!」というケースも多発しているようです。
そのような場合は、剣道防具のカビ予防と対処法まとめ!防具はもうカビさせない をご参照ください。
目次
竹刀の点検と調整のタイミング
稽古の前や稽古が終わった時には、自分の竹刀は大丈夫か点検するようにしましょう。また、稽古している間に、いつの間か竹刀が折れかかっているなどということもありますので、稽古中もマメに竹刀の状態をチェックすることも大切です。
竹刀の点検と調整の仕方
(1) 先革の状態を調べる
先革に穴が開いていたり、破れそうになったりしている場合は、先革を新しいものに取り替えなくてはなりません。そのまま使用すると、竹が飛び出すリスクがあり大変危険です。
(2) 竹の状態を調べる
竹刀は稽古などをしている間に、竹に割れやささくれができてしまうことがあります。そのまま使うと、お相手や自分がケガをする恐れがあり大変危険ですから、きちんと竹の状態を調べておくことが大切です。
その際、外側から見たら大丈夫でも、実は内側がわれているということもありますので、外側から見て調べるだけでなく、指で竹を縦や横につぶしてみて、内側が割れていないかチェックしましょう。
① ささくれている場合
下のような専用の道具が売っていますので、用法通りに削ってささくれを取り除きます。
② 割れている場合
割れの大きさによります。
ほんの少しの割れの場合は、①と同様に削って割れを取り除きますが、大きく割れていたり、折れていたりするようなときは、竹を取り替えなければなりません。剣道具屋さんで、4本セットの竹を購入して、必要な分だけ竹を入れ替えて竹刀を組み直します。残った竹は捨ててしまわず、次回また竹が折れたりしたときに使用出来ますから、大切に取っておきましょう。
(3) 弦と中結を調べる
竹刀の弦を適度な力で引っ張ってみましょう。aの写真くらい引っ張れる場合はゆるんでいます。(bが適度な張りのある状態)
a ゆるんでいる
b 適度に張っている
① 弦がゆるんでいる場合は、柄革がのびてしまっている可能性があります。その場合は、弦をしめ直します。
② 弦のゆるみは気にならないが、柄革がゆるく、ぐるぐる回ったり、柄尻に余りがあったりする場合は、柄革をぐっと入れ込みます。
ただ、柄革を入れ込むと、今度はその分弦がゆるんでしまいますから、①と同様に弦をしめ直しましょう。
柄革がゆるい状態
柄革がぐるぐる回っている状態
柄革をぐっと入れ込む
弦の状態を調べる際は、中結の状態も同時に調べましょう。中結は、4本の竹がバラバラになるのを防ぐためのものです。ゆるんでいたり切れそうになっていたりすると、先革も外れやすくなる危険性がありますので、切れそうな時は新しいものに取り替え、ゆるんでいる場合はしめ直しが必要です。
いずれにせよ、弦をしめ直す際は、念のため中結もほどいてしめ直すことをおすすめします。
竹刀にカビが生えてしまった時
竹刀も保存状態がよくないとカビが生えてしまいます。竹刀を外から見てカビが生えているなと思った時は、内側にもカビが発生している場合が多いですから、竹刀をばらしてカビを取り除くことをおすすめします。
まとめ
日頃怠りがちではありますが、竹刀は、本来稽古のたびに点検して用いたほうが自分もお相手もケガをするリスクを減らすことが出来ます。
上記のポイントについて点検し、楽しいだけでなく、安全な剣道をしていけるといいですね。