剣道の防具を購入するとき、防具屋さんに行くのであれば、お店でサイズを測ってもらうので、特に問題ないと思いますが、ネットで購入する場合は、自分自身でサイズを測定しなければなりません。そこで、今回は、ジャストフィットする防具を手に入れるための、サイズの測り方をまとめてみました。
目次
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測り方全般について
剣道の防具にとって、サイズは最も重要な要素です。自分の身体のサイズに合わない防具を着用するのは、怪我のリスクもあり大変危険です。もちろん、立ち姿も美しく見えないですし、構えや動きにも影響があるでしょう。
そのためには、正しいサイズを測ることが何より重要になってきます。
面・小手・胴・垂れすべてに共通して大切なのは、測る道具を選ぶこと。
『お裁縫用メジャー』で測りましょう。
定規や金属のメジャー、紐やリボンでは正確に計測できない可能性があります。
また、必ず2人以上で計測を行って下さい。
自分1人では、頭の横や後ろを確認することが難しく、正しい計測ができないおそれがあります。(胴や垂れの用にウエスト周りを計測する場合は、お一人でも大丈夫でしょう。)
注意点
・メジャーは、きつく締めすぎたり、ゆるすぎたりしないようにしましょう。
・測りはじめと測り終わりだけを押さえるのでなく、始点から終点まで、手でメジャーを頭や顔に沿わせるようにして測りましょう。
・メジャーが正しい通り道を通っているか確認しながら計測しましょう。
面のサイズの測り方
(1)計測の仕方
面のサイズとしては、下記のA・B・C、3つのサイズが必要です。
ただ、人の頭の形はそれぞれです。あごの出方や後頭部の出っ張りなど、みな同じではありません。気になる方は、面購入時に防具屋さんにその旨お伝えするとよいでしょう。
Aの測り方
頭頂部(つむじのあたり)からあごの先端を通って、再び頭頂部まで戻る1周を計測します。
1.つむじの位置にメジャーをあて、もう1人の人に押さえてもらいます。この時、メジャーの『0』の位置が頬に来るようにします。
2.耳の前とあごの先端を通って、メジャーをぐるりと1周させます。ほおの位置で測定しましょう。
◆悪い例
*Aは通常、58cm(子供)~72cm(成人男性)です。73cm以上の場合は、特大サイズとなることが多いです。
Bの測り方
はちまきの位置を計測します。
耳の少し上の高さのところから、おでこ、後頭部にかけてぐるりと1周を計測しましょう。
Bは、通常Aの-約10cmが平均的で、成人男性で57cm前後です。
Cの測り方
物見の高さです。
1.頭をまっすぐにして、テーブルなどの平らな台にあごを乗せます。
2.台の上の面から目尻までの垂直な高さを計測します。
この場合は、裁縫用メジャーではなく、定規を用いたほうがより正確に計測できます。
Cは、通常、成人男性で12.5cm前後です。
(2)選ぶときの考え方とポイント
届いた面が、自分に合っているかどうかは、次の点に注目して確認してみましょう。
1.まず、届いたばかりの面は、箱の中で縦につぶれている場合がありますので、自然な卵形になるように形を整えます。
2.面布団の両側をしっかりと広げて、内輪(面の内側の約5cm幅の輪状の部分)の下側に、まずあごを乗せます。
3.面金に手をあてて、面を顔にそっと押し当てます。
4.この時、内輪に額の上部がつかない場合、面が小さすぎるので交換が必要です。
5.あごと額の上部がついたとしても、上下に力を加えてみた時に面がぐらぐらするようなら、面が大きすぎることが考えられます。
6.ここまで大丈夫でしたら、実際に面紐を結んでみて、違和感はないか、横から見たときに後頭部がはみ出していないか等を確認しましょう。
後頭部が出ている場合は、面布団の幅が狭すぎです。転倒した際に後頭部を床面にぶつけたり、面を打たれたときにしなった竹刀で調節後頭部を打たれたりするおそれがあり、大変危険なので、交換が必要です。
少しばかり大きい面については、面クッション(面調整布団)を入れてサイズの調整をすることもできます。
小手のサイズの測り方
(1)計測の仕方
小手の場合、下記のDとEのサイズが必要です。
手のひらのサイズを測るときには、指は閉じてまっすぐに伸ばしますが、手の力は入れすぎず、抜きすぎず、自然な平らになるようにしましょう。
Dの測り方
中指の先から手のひらのすぐ下の関節(手首線:手首のしわのところ)まで測ります。
指先から指に沿って真っ直ぐのラインからずれないように測りましょう。
手のひらを平らな台に置き、中指の先と手首のしわのところに印をつけて測る方法もあります。
Eの測り方
親指と人差し指の付け根からぐるりと1周したサイズを測ります。この時、手の一番出っ張った部分を通るようにしましょう。
親指を含めてしまうと、大きな誤差が出てしまいますから、必ず親指を除いた4本の指の周りを測るように気をつけましょう。
(2)選ぶときの考え方とポイント
まずは、実際に小手の中に手を入れてみて、グーパーしたりして手が動かしやすいか確認します。
きついと感じたら、ワンサイズ上の小手を選んだ方がよいでしょう。小手の中で指が動かしにくいと、竹刀をうまく掴めないことがあるからです。
また、大きすぎてぶかぶかな場合は、小さいサイズに交換した方がよい可能性があります。小手から手が抜けやすく、これはこれで竹刀が掴みにくくなってしまいます。
小手のサイズは、サイズ自体が合っていたとしても、個人の好みによりサイズ感の分かれるものです。少しでも違和感がある場合は、防具屋さんに相談してみましょう。
胴のサイズの測り方
(1)計測の仕方
身長・体重・ウエストサイズからサイズが決まります。気になる点がある方は、その旨を防具屋さんにお伝えするとよいでしょう。
今すでにお持ちの胴がある場合は、今の胴の高さと後ろの幅から作る場合もあります。
(2)選ぶときの考え方とポイント
身長・体重・ウエストを考慮して選んだとしても、実際に着用したら合っていないということもあるでしょう。
装着時に両脇にこぶしが半分入るくらいの隙間ができるくらいがちょうどよいとされています。
・大きすぎる胴の場合、腕を伸ばしたとき、広すぎる胴胸に腕がつかえて、腕を伸ばすことができなかったり、脇をしめることができなかったりします。胴を装着して腕が振り下ろせないということはないか確認しましょう。
・小さすぎる場合、突き垂れと胴胸の間、胸の横、胴と垂れの間に隙間ができてしまうので危険です。
垂れのサイズの測り方
(1)計測の仕方
胴と同じく、身長・体重・ウエストサイズからサイズが決まります。
また、今お持ちの垂れがある場合は、そちらのサイズを参考にしてもよいでしょう。
(2)選ぶときの考え方とポイント
垂れのサイズは、構えや脚の動きに影響を与えるので、着用してみて脚が動かしにくくないか、着姿は美しいかを確認するとよいでしょう。
安全面からしても、横側の大垂が、腰骨の上にくるくらいがちょうどよい大きさです。前から見たときに、横側の大垂の裏側が見えてしまうとしたら、垂れが大きすぎます。
子どもの防具の選び方
子供は成長が早いので、服と同じように、少し大きめのサイズを購入しようと思われるかもしれません。ですが、防具が大きすぎると、動きにくいですし、怪我にも繋がります。お子さんの身体にちょうどよいサイズのものを選んであげましょう。
ただし、面の場合は、少しだけ大きめの面を購入して、面クッション(面調整布団)でサイズの調整を行うことができます。
面クッション(面調整布団)には、薄手と厚手の2タイプあり、薄手のものは約1cm、厚手のもので約2cmの厚みがあります。装着は、頭頂部の面布団と内輪の間に挟むだけなので簡単ですが、ずれ防止のために簡単に縫いつける方もいるようです。
面を打たれたときの衝撃を吸収してくれる役割もあるので、面を打たれたときの痛みを軽減する効果も期待できるでしょう。
女性の防具の選び方
男性と女性では、同じ身長でも、体格(体型)にはやはり違いがあるもの。
ですが、実際のところ、女性用の防具というものは特になく、基本的に男女兼用となっています。オーダーメイドの防具を作れば、自分ぴったりの防具を手に入れられるのでしょうけれど、それ相応の価格になってしまいますので、そう簡単ではありません。
そのため、既製品の中から選び、自分の身体よりも大きめの防具を用いている女性も見られます。
女性剣士の皆さん、次のようなことはないですか?
・面がブカブカで、中で頭が動いてしまい、稽古中に面がずり落ちてくる
・小手が大きすぎて、竹刀がうまく握れない
・あごが胴胸にかぶってしまう
・胴胸が大きすぎて打つときに手が伸ばせない
・蹲踞したときに胴胸がつかえたり、座礼が苦しかったりする
・胴が重くて動きにくい
・垂れが大きすぎて、足が出しにくいうえ、着姿も美しくない
上記の場合、防具のサイズが身体に合っていないということです。できることなら、サイズの見直しをしたほうが快適ですし、パフォーマンスも向上する可能性があります。
女性の場合、少し小さめサイズを選んだ方がちょうどよいことがありますので、防具選びは男性より慎重に行うようにしましょう。
防具のサイズ選びはとても大切
剣道の防具は、サイズが合っているかがとても大切です。正しく自分のサイズを測り、自分にぴったりと合う防具を手に入れたいものですね。自分自身でサイズの計測をすることに不安がある場合、ネット販売店の中には、実店舗を構えているお店もありますので、お店のほうに一度相談してみるとよいでしょう。
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