千田海(せんだかい)
主な成績
明治大学3年生。仙台育英学園高校在籍時、インターハイ個人3位。全日本学生剣道選手権大会で2年時・3年時個人ベスト8。全日本剣道選手権大会の宮城県予選を勝ち抜き、2017年11月3日(金)に開催される全日本剣道選手権大会に出場予定。
ご経歴
—出身道場を教えていただけますか?
千田「宮城県の多賀城中央剣道教室という道場です。小学校の時は、宮城県の学年別大会でも一回戦で負けてしまう程度の力しかありませんでした」
—そうなのですね!なにがきっかけで、ご自分に力がついてきたと思われますか?
千田「中学校は私立の秀光中学校に進学したのですが、そこから徐々に成績を残せるようになりました。メンバーが4人しかいなかったのですが、全中の宮城県予選では2位になることができました。どうせなら4人で全中に出場してみたかったのですが(笑)。個人では宮城県ベスト8になることできました」
—秀光中学校は仙台育英学園高校の付属校ですので、剣道も盛んですよね。ご自分で環境を変えたいと思われたのでしょうか?
千田「いえ、先輩に誘われてですね。仙台育英剣道部青木監督のご子息が道場の先輩にあたります。その青木先輩に誘われて、悩んだのですがチャレンジすることにしました」
—高校では仙台育英高校に進学されました。いつからレギュラーだったのですか?
千田「1年生の高校総体では、途中から副将として出場しました。早い段階から起用していただき、感謝しています」
—強豪の仙台育英で1年生からレギュラーだったのですね。
千田「仙台育英は自主性を重んじる指導方針ですので、稽古を強制されることはありません。ですので、強くなる人とあまり成長しない人の差が顕著にでます。私は、どうやったら強くなるのか常に考えて稽古していました。なにも考えずにする稽古や、やらされている稽古にはあまり意味がないと思っていました」
仙台育英の指導方針がぴったりだったのですね。先輩にも恵まれましたか?
千田「当時、私の2学年上で石巻市出身の小松先輩という方がいました。今年の全日本選手権の出場権をかけて、小松先輩と宮城県予選決勝で対戦したのです。その妹が東奥義塾高校でインターハイ個人優勝をして、明治大学に入学してきました(笑)。縁を感じますね」
—ご縁があるのですね(笑)。千田選手はインターハイでは個人3位の成績を残していらっしゃいますよね。この時は自信がありましたか。
千田「いえ、本当に自信はなかったんです。1つ1つ集中して試合に臨んだら、びっくりするような結果を残すことができました。奇跡に近いと思っています(笑)」
明治大学での成績
ー大学に入学されてからの成績を教えていただけますか。
千田「大学2年時・3年時に全日本学生個人でベスト8に入ることができました」
ー安定して好成績をおさめていらっしゃいますね!その結果に対して、ご自身ではどのように感じられますか?
千田「あと一歩…という感じでしょうか。まわりの方々にも、『あと一歩だね』と言っていただくことが多いです。パンフレットに載るのは、3位からなので。この壁を破りたいですね」
ー今年は全日本学生の団体も優勝を狙えそうですよね。
千田「そうですね。ぜひ狙いたいと思います」
※2017年10月29日に開催された大会結果は、3位入賞。
ー明治大学には、山田選手というよき同級生もいらっしゃいますね。
千田「山田選手は明治大学に入学したときから、日本代表メンバーに入っているような素晴らしい選手です。彼と同級生になれたことは運がいいと思います」
—山田選手はどんな存在でしょうか?
千田「…成長させてくれる存在でしょうか。切磋琢磨しあえる関係ですね。例えば、昨年の全日本学生個人では山田選手が優勝し、私がベスト8でした。今年の全日本学生個人では私のほうが好成績を収めることができました。お互い意識して、よい成績を残せるよう稽古に励んでいます」
—明治大学での稽古内容を教えていただけますか。
千田「明治大学は基本稽古を大事にしています。切り返し、打ち込み、かかり稽古などをじっくりやることが多いです。疲れてきて、やらされている稽古になってしまうこともたまにあるのですが、極力考えて稽古するよう心がけています」
—千田選手は剣道が本当に好きだというのが伝わってきます。剣道のどんなところが好きですか?
千田「心の読み合いが楽しいと思います。中学生くらいまでは自主的に考えて稽古するということはしていませんでした。高校生になってから、心の読み合いができる剣道の面白さに気づいたのです」
—戦略を考えるのは得意なのですか?
千田「得意な方だと思います。将棋も好きなんですよ。数手先まで考えて攻めています」
学生として、全日本選手権への挑戦
—全日本剣道選手権大会の出場権獲得、おめでとうございます。
千田「ありがとうございます。昨年も予選会には出場したのですが、力及ばず2位でした。昨年は、正直そこまであがれると思っていなかったというか…。決勝まであがれたことが自信になったのは間違いないですね。今年は明確に出場権を狙いに行ったのがよかったと思います」
—学生の立場で警察官の方々と出場権を争うというのは、気持ちをつくるのが難しい気がするのですが、いかがでしょうか。
千田「私の場合、相手が警察官の方であろうと、『負けられない』というプレッシャーを自分にかけています。そのほうが結果としてうまくケースが多いです」
—緊張はなかったのでしょうか?
千田「緊張はあったと思うのですが、日々の稽古を積み重ねていたので、自信もありました」
ー全日本選手権が近づいてきました。緊張されていますか?
千田「緊張していますね(笑)。私は組み合わせが発表されて緊張して、試合の1週間前に緊張するんですね。試合が近づいてくるにつれ、緊張が軽減されてくるのです」
—それは、自分の中で試合のシミュレーションができて、気持ちが出来上がってくるからでしょうか。
千田「はい。イメージトレーニングをたくさんしています」
選手としての目標
—選手としての目標はありますか。
千田「全日本選手権に10年連続で出場を目標にしています。記念に胴がもらえますので(笑)」
—それは素晴らしい目標ですね!進路は地元の宮城県警を志望されているのでしょうか。
千田「そうですね。地元から自分の名を全国に売っていきたいと思います。宮城に千田ありと覚えていただけると嬉しいですね」
—千田選手のように日々考えて稽古していれば、どんな環境でも成長していけるのだろうと思ったインタビューでした。毎日を漫然と過ごさず、工夫して毎日を過ごすということは社会人にも重要なことですので、BUSHIZOスタッフも大いに学びがありました。全日本選手権でのご健闘をお祈りしています!