高橋健太郎スタイル 剣道のための体づくり
今回も前回に引き続き、剣道日本代表トレーニングコーチ高橋健太郎先生に、剣道に必要なトレーニングとは何かを教えていただきます。第9回目となる今回は、敏捷性の鍛え方についてです。
敏捷性を鍛える=反応時間を早める
── さっきお話ありましたが、全身の持久力とか筋持久力とかの鍛え方はいろいろあるかと思いますが、敏捷性というのはどうやってトレーニングしたらよいのでしょうか?
高橋「はい。敏捷性の場合は、反応時間を早めるということなので、反応というキーワードがあるかと思うのですが、例えば構えている状態で、前とか後ろとか右、左とかいうような合図を誰かが出してもらい、その合図にしたがってすぐさま動くというようなやり方がひとつありますよね」
高橋「もうひとつが、よくやられていますけれども、太鼓の合図でお互いに打つとかというのは、これも反応を早めるための、反応スピードを上げるためのトレーニングのひとつですね。それと、手をパンと叩く合図とかで動き出すとか。シミュレーションでいいと思いますので、竹刀を持たないまま、誰かしらの合図、例えば『よ~いドン』みたいな合図か何かなどで、その合図がきたら、どんと一歩だけでも前に出るというようなトレーニングは、自分で出来るトレーニングですよね。」
構えて集中し、合図に反応して最速で打ち込む
高橋「じゃあいきます。合図とともに行って下さいね。はい集中して。そうですね」
高橋「はい、もう一回行きます。はいもう一度。はい。こんな感じですね」
寝た状態で集中し、合図に反応して最速で立ち上がる
高橋「あとは、座っている状態からいかに早く立てるか、っていうのが、これもよくやられるやつですね」
──剣道に直結していますよね?
高橋「しますね。反応スピードをあげるというのは、剣道に非常に直結していると思います」
高橋「ぶつからないように。これも1回練習した方がいいかもしれないよね。合図でパッと立ってその場で気をつけ」
高橋「お、遅い(笑)」
選手たち「笑笑笑」
高橋「もっとしゃきーんって。何か思ってたより全然遅い(笑)これ、強化の選手とかもっと全然速い。バッて起き上がるよ。はいはい」
選手「手を使っていいんですか?」
高橋「手を使っていいよ」
──寝起きぐらいの遅さですね(笑)
高橋「笑笑笑」
選手たち「笑笑笑」
高橋「はいじゃあ行きます。遅い。もう一回」
選手「無理です」
高橋「もう一回行きます。反応時間を上げる。身体がしっかりと脳から命令を受けないと動かないよ。はい、起きて。オッケー。はい、もう一回行きます。はい、オッケー」
次回は『竹刀を使った運動』
今回は敏捷性の鍛え方について解説していただきました。
剣道では、いかに速く相手の打突部位をとらえることができるかといった、反応時間の早さもとても大事な要素なので、今回のトレーニング等でトレーニングをしておく必要がありますね。寝た状態から起き上がるトレーニングは、誰もが毎日行なっている動作ですから、できるだけ速くを心がけるだけで、自然と日常的にトレーニングすることができると思いました。
次回は、竹刀を使った運動について教えていただきます。どうぞお楽しみに!
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