「剣道人が集まる寿司屋にしたい」剣道六段・棚町司さんインタビュー

2018年12月27日 • インタビュー, 経営者 • Views: 7148

剣道で培った人間性を活かしてお仕事でご活躍されている方をフィーチャーしたい。そんな思いでBUSHIZOのインタビュー記事を始めました。これまでは芸能界でご活躍の方々にお話を聞いてきましたが、実業界でご活躍の剣道人もたくさんいらっしゃいます。

今回は大阪の一等地・北新地でお店を経営されている棚町さんにお話をお聞きしました!

 

プロフィール

棚町 司(たなまち・つかさ)

高校卒業後、寿司職人の世界に入る。平成30年11月大阪の一等地北新地で「すし たな町」を新規開業。関西の一流選手が足繁く通うお店として、剣道界で密かなブームを巻き起こしている。剣道六段。

 

インタビュアー・記事執筆:BUSHIZO 上島

撮影:BUSHIZO 工藤

 

寿司職人の世界に進まれた理由

ーこの個室は剣道感が漂っていて、そそられますね…。竹刀ですよね?

※個室の天井

 

棚町「そうですね。竹刀を打ち付けています。初めてご来店いただいたお客様にも私が剣道をやっていることを知っていただけるかなと」

 

ー名刺も剣道のロゴが効いていますね(笑)。

棚町「ありがとうございます。剣道の後輩にデザインしてもらったんですよ」

 

ー棚町さんはどちらで剣道を始められたのでしょうか?

棚町「福岡県の出身です。小学一年生から剣道を始めました。高校まで剣道を続けて、高校卒業後すぐに寿司の道に入りました」

 

ー現在は何段でいらっしゃるのですか?

棚町「六段です」

 

ーお仕事もお忙しい中、六段取得は並大抵のことではないですよね。

棚町「高校を卒業して8年程剣道から離れてしまっていました。どうしても若い頃はやること・覚えることがとても多いんです。寝る時間もないような状態でした。26歳になって大分仕事が落ち着いたこともあり、近くで稽古場所を探し始めました。そこから続けていますね」

 

ーずっと剣道を再開されたい思いはあったのですか?

棚町「そうですね。就職の時に防具も持ってきていたくらいですので(笑)」

 

ーなぜ剣道を再開されたかったのでしょうか?

棚町「単純に剣道が好きだからですね。剣道をやっていたら仲間がどんどん増えてきます。そういった交剣知愛の側面も剣道の魅力です。ウチのアルバイトは皆剣道部の学生です。普通に求人を出したらお金がかかるところですが、剣縁に助けられていますね

※関西学院大学剣道部所属のアルバイト・江守(えもり)さん

 

寿司職人になることは中学生から決めていた

ー高校は福岡県の久留米商業に進まれたのですよね?

棚町「ありがたいことに、他の高校から剣道特待生のお話もいただいたのですが、私は寿司職人になることを決めておりました。高校は商業系の高校に行って商売を学びたいと考えていたんです」

 

ー大阪の一等地でお店を持たれて、夢を叶えていらっしゃいますね。なぜ早い段階で自分の進路を決めることができたのでしょうか?

棚町「私の叔父が寿司職人だったのです。独立してこれからという時に20代で亡くなった。この話を母からよく聞かされていたので、『だったら僕が寿司職人になろう』と幼いながらに決意したのです

 

ーそういった経緯があったのですね…。では料理人になりたいというより、寿司職人になりたかったのですね?

棚町「寿司職人になりたかったのです。おかげさまで夢を叶えることができて幸せです」

 

剣道の魅力とは

棚町「人のつながりができるのが剣道の一番の魅力ではないでしょうか。寿司職人の修行は辛いと一般的に言われていますが、学生時代の掛かり稽古に比べれば大したことないと思えましたね(笑)

 

ー忍耐力を養えたということですね!やはり人のつながりは増えましたか?

棚町「剣道の世界って不思議なもので、年上なだけで『先輩』と言ってもらえますよね。大阪の出身ではないのですが、こちらで剣道を始めたことで大阪の後輩が増えました」

 

ー開店されて約半月ほど経過しましたが、どのように感じていらっしゃいますか?

棚町「まだお祝いモードなので、たくさんご来店いただいてます。剣道をやっている方・剣道を昔やっていた方もご来店いただけるので、剣道に助けられているという感じがします」

 

ー私も外食産業に携わったことがあるのですが、利益をだすのは本当に難しいお仕事だと思います。

棚町「やはり好きでなければ続かない仕事ですね。人件費も地代家賃も仕入れもかかる。経費をみてため息をつくこともあります。競争も激しいので、非常にシビアなビジネスです。その中でなぜこの仕事を続けていけるというと、好きだからという理由に尽きます。本当に好きなことだから20年近く続けてこれた。お客様に直接『ありがとうございました』と言っていただける感動を毎日味わうことができるのは贅沢なことです

※「すし たな町」にメニューはなく、毎日一番新鮮で美味しいネタをご提供する。

 

ー好きこそものの上手なれですね。最後に、今後の抱負を教えていただけますか?

棚町「アルバイトの学生は小さい頃から知っている子たちだったりするので、彼ら彼女たちの成長を見守っていきたいです。

また、剣道好きがさらに集まる場になって『たな町に行ったら剣道の知り合いが増える』と言われるようになったら嬉しいですね

 

「掛かり稽古に比べれば、仕事できついと思うことなどない」というお言葉が特に印象的でした。社会人であれば誰もがうなづく一言ではないでしょうか。私たちBUSHIZOスタッフも大好きな剣道を仕事にしたからこそ楽しく頑張れていますので、棚町さんが寿司職人という職業を愛していらっしゃることに共感しました!

剣道をやっていらっしゃる方は棚町さんが特に優しく接客してくださいますので、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。剣道の一流選手とばったり会ってしまうかも?

剣道愛に溢れる棚町さんの今後のご活躍を祈念しております!

 

「すし たな町」

住所:大阪府大阪市北区曽根崎新地1-2-22 北リンデンビル301 北新地駅(11-41)より徒歩2分

電話番号:06-6342-5775

営業時間・定休日

月~金、祝前日: 18:00~翌1:00
土: 18:00~22:00

定休日:日、祝日

 

 

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