【ミツボシ・木村社長インタビュー】国内製造にこだわり、お客様の声に応えたい。「峰」「天」はさらなる高みへ!

2018年6月11日 • ミツボシ • Views: 1873

1953年創業のミツボシ。剣道をやっていて知らない人はいないでしょう。特に「峰」「天」は長きにわたり剣道人に愛されてきました。

2015年には京都・東山堂グループとなり伝統と革新が同居するミツボシ。木村社長に今後のビジョンをお伺いしてきました。

 

プロフィール

木村利英(きむら・としひで)

1984年 生まれ

2008年 大学院卒業後 大手ディスプレイ会社へ入社
2015年 株式会社東山堂   入社
2016年 株式会社ミツボシ 代表取締役社長着任
2017年 柔道衣ブランド「REIGEAR」の発表

     国産防具ブランド「峰-謹製-」の発表、剣道具ブランド「天」リニューアル

     等に取り組む

ミツボシの歴史

木村利「ミツボシは1953年に創業しました今年で66周年になります。2015年に東山堂グループとなりました」

 

ー御社は歴史あるメーカーで、剣道をやっている人なら誰でも知っています!

木村利「ミツボシは柔道着の製造がメインでした。戦後にはリヤカーを引いて柔道着を販売していたようです。東京に店舗を構えてから10年程経過したのち、現在でもメイン工場である岩手県久慈市の工場をつくりました」

 

ー久慈市の工場をつくった当時も柔道着製造がメインだったのでしょうか?

木村利「そうですね。海外製造がなかった時代ですので、すべて国内製造していました。柔道人口の増加に伴い成長してきた会社です」

 

「峰」「天」の誕生秘話

ー剣道具製造を始めたのはいつ頃だったのでしょうか?

木村利「約40年程前になるでしょうか。『峰』を作ったのが、約30年程前ですね」

 

ー「峰」は30年の歴史があるのですね!現在でもファンが多い「峰」はどのようなきっかけで生まれたのですか?

木村利『お求めやすい価格で防具を届けたい』という思いで「峰」の小手製造を始めました。“軽くて、薄い”小手というコンセプトです。当時は分厚い手刺防具がほとんどという時代ですから、値段も高かった。剣道普及のために、もう少し廉価な防具が必要でした」

 

ー「峰」はどちらかというと、高級ブランドとしてのイメージがあります。

木村利「時代の変遷とともに進化していったため、結果として高級ブランドのイメージを持っていただけているのだと思います」

 

ー発売当初から、ミシン刺しで世に出されたのですか?

木村利「そうですね。国産ミシン刺し防具の先駆けともいえる存在だと思います。手刺の風合いをだすためにピッチ刺しという技術を開発しました」

 

ー当時の防具製造メーカーの状況を教えていただけますか?

木村利「当時は武道具店さんのOEMとして機能しているメーカーばかりでした。メーカーが自社ブランドをつくって、販売していくというスタイルはどこもやっていなかった。

メーカーブランドを持つ事の大切さを、先代の創業者は重要視していたのだと思います。その想いと取り組みが、今も生きている。

 

ーそうだったのですね!いまでは盤石のブランドを構築されていらっしゃいます。

木村利「ミツボシに長く在籍している社員は、感慨深いものがあるようです。ミツボシのタグがついているだけで『ほしい』と言ってくださる方々がいらっしゃいますので」

 

ー私たちユーザーにしたら、ミツボシ商品が欲しいのは当たり前ですが、御社にとっては感慨深いものがあるのですね!もうひとつの大人気ブランド「天」はどういった背景で製造開始されたのでしょうか?

木村利「『峰』が高級路線でブランディングできたので、セカンドラインとして開発された剣道具が『天』です。『天』は、峰と同じくミツボシ の拘りを詰め込んだ上、よりお求めやすい製品という位置付けです」

 

ーものづくりとしてのコンセプトを教えていただけますか?

木村利「実践型など勝ち負けを追求するのではなく、防具としての性能をいかにして高めるかということに重きをおいています。安全性・品質・着装時の美しさを重要視しています。ミツボシの防具作りに関する姿勢は一貫していますね」

 

ーあまり派手な飾りはいれず質実剛健というのがミツボシさんのイメージです。

木村利「着装時の形にはこだわっています。『天』の防具は柔らかいなかにも、ハリがある芯材を使っているので勇ましい形がつきます」

 

ーたしかに・垂の形は特に綺麗にでますよね!

 

国内製造のメリット

木村利『峰』はすべて岩手県・久慈工場で製造しています。武道具の総合メーカーというのは、弊社だけではないでしょうか。柔道着・合気道・空手着など様々な武道製品を久慈工場で製造しております」

 

ーすべてひとつの工場で製造されているのですね。国内製造しているメリットを教えていただけますか?

木村利「2つあります。まずは、芯材の豊富さですね。海外では調達できないような芯材が国内ですと手に入ります。2つ目は、情報の速さです」

 

ー情報の速さとはどういうことでしょうか?

木村利「私たちのメインのお客様は日本国内にある小売店様です。お客様のご意見を営業マンが吸い上げ、工場にダイレクトに伝える。そのフィードバックをもとに、すぐに製造工程に反映させることができます

 

ーアップグレードのスピードが早いということですね!

木村利『峰 謹製』という防具を製造しましたが、いままでの『峰』より格段にアップグレードしています。分かりやすいところでいうと、小手の型ですね。昔の人は短くて太い指の方が多いですが、いまは細くて長い指の方が多い。当然、小手の型も変わりますよね。そういったアップグレードを、剣道だけではなく合気道・柔道など全ての武道具で行っています」

 

ー国内製造のメリットがよく理解できました。どれくらいの頻度で久慈工場に行かれるのですか?

木村利「月に一度は行っています。遠いんですけどね、久慈(笑)。久慈の皆様は、お客様の声がなかなか聞けないので、できるだけ私の口から評判を伝えるようにしています。そのほうが彼らのやりがいにもつながりますので。そして私も、職人の皆様から沢山勉強させてもらっています。」

 

お客様の要望に応えたものづくりがしたい

ーミツボシが東山堂グループになって、いい変化があったのではないでしょうか?

木村利「東山堂グループは小売店の機能が強いので、ユーザー様の声をダイレクトに聞く機会が多い。また、商品開発力では桁違いのスピードと企画力があると思います。そういったユーザー様の声や、東山堂の企画・開発環境をミツボシのものづくりにも活かすことができています

 

ーメーカーとして強みがあるミツボシと、商品開発力に長けた東山堂が力を合わせることで相乗効果があったのですね。

木村利「東山堂からみれば、ミツボシはとてもよいブランドを有しているという見方をしていました。しかしながら、ミツボシは自社ブランドの素晴らしさに気付けていなかった。そのあたりを意見交換できたことが、新しい動きに繋がり非常によかったと思います」

 

ー互いに学ぶところがある、とてもよい関係性ですね!

木村利「僕のイメージでは、ディズニーとピクサーのような関係性かなと思います。歴史のあるブランドであるディズニー(ミツボシ)が、ピクサー(東山堂)と組むことで革新性をプラスできる」

 

ーなるほど!わかりやすいですね。御社の今後のビジョンを教えていただけますか?

木村利「本当の意味で“武道具の総合メーカー”になることです。剣道では、『峰』、『天』というブランドがありますが、柔道・合気道・空手などほかの武道でもお客様に愛されるブランドを作り上げていきたいと思います。その状態になったときに、本当の意味で“武道具の総合メーカー”になれると思っています

 

BUSHIZOの所感

今回、ミツボシ・木村社長にお話を聞いて、ミツボシ・東山堂の両社によい化学反応が起きていることが分かりました。

個人的には、「峰・天はこれからもまだまだ進化する」という木村社長のご意見が印象的でした。

ミツボシが今後どのような進化を遂げるのか、楽しみでなりません!

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