1976年創刊の歴史ある専門誌『剣道日本』にて10年以上にも渡り、連載されてきた墨絵イラストレーター 涌井陽一氏へお話を伺ってきました。
涌井陽一(WAKUI YOICHI)
1970|東京生まれ
1996|セツ・モードセミナー卒。イラストの仕事を開始
1998|個展、展示活動を始める。墨筆を使い、人物、動物、機械など対象を問わず表現。広告・出版をはじめ、様々な媒体で活動
2002|NYにて展示(Westwood Gallery/Japan Art Alliance)
<ホームページ>
http://ekakisalue.blush.jp
・受賞歴
第49回カタログポスター展 日本印刷産業連合会会長賞
(日立製作所会社概要パンフレット)
また、本インタビュー企画に併せて、墨絵付きの2019年度版カレンダー(2019年4月〜2020年3月)を販売いたします。カレンダー内の墨絵は、実際に過去『剣道日本』内の目次や予告ページなどに掲載されたものです。
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―墨絵を始められた経緯を教えてください
もともとはスケッチ画からスタートしました。そこから、通常は鉛筆で描くものをよりかっこよく、より価値のあるものするにはどうしたらよいかと考え、墨で描くことに辿り着きました。
当初は色のある水彩画も手掛けておりました。どうしたらマーケットから受け入れられるのか、仕事の依頼をもらえるのか、という基準ではないところでやっていくことができるのが墨絵だと捉えており、それ以来22年間ずっと描き続けています。
2017年1月 三越 藤沢周平展での墨絵実演販売時の様子
―『剣道日本』に墨絵を連載することになったきっかけを教えてください
もともと宝島社の古武術の書籍のお仕事を頂いたことがあり、そちらで私を知っていただき、剣道日本でも墨絵のイラストをお願いしたいということでお声を掛けていただいたことが始まりです。
当時2005年だったので、10年以上連載させていただいたことになります。
過去の作品を纏めてカレンダーという形にして剣道ファンの皆さまにお届けしたいと思い、今回の企画に至りました。
2019年度版 墨絵剣道カレンダー表紙
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―墨絵の魅力を教えてください
人は動いているところがカッコいいと思います。
墨筆を使うことよって勢いを出し、動きを説明することができるのではないかと思います。
絵は止まっているものを描くことが一般的かと思いますが、対象が動いてしまうと描けません。
そこで挑戦したのが、動いているところを描くということでした。
剣道や古武道は、身体の重心や中心線がすごくきっちりしています。
左後ろ足に重心があり、そこから体重移動があります。
そのような基本のルールをおさえた上で、さらにそこから工夫を重ねて表現しています。
しっかりと最終的に絵画として、視覚に対して綺麗に見せていくということが大事です。
そこが面白いところだと思いますし、今後も挑戦していきたいと思います。
取材:BUSHIZO 工藤