『剣道日本』休刊と雑誌に懸けた40年分の想い

2017年12月25日 • インタビュー, 編集者 • Views: 10238

2018年2月号で休刊が決定した『剣道日本』。76年に創刊されて以来永く剣道家に愛読されてきました。
仕事に懸ける想いと再出発への気持ちについて、編集長の安藤さんにインタビューしました。

※こちらの記事公開の後、2019年1月号に復刊しております。(2022年2月22日追記)

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休刊に際して

ー突然の休刊、本当に驚きました。
ご愛読いただいていた読者の皆様には、本当に申し訳なく思っております。

正規のかたちで2月号を発行することもかなわず、これまでと違った装丁で、予告と異なる内容になりました。刊行が継続できなくなってしまったこと、重ねてお詫び申し上げます。

 

個性派揃いの編集部

ー これまでどんな想いや願いを込めて雑誌を創ってきたのでしょうか?
編集部員たちとは本当に長い間、ともに時間を過ごしてきました。戦友です。

編集部員たちは、筆力も、相手から言葉を引き出す力も持っています。
僕は、取材先の先生に4、5回会ってようやく覚えてもらえるのですが、他の編集者は会ってすぐ覚えてもらえるんです。
見た目も性格も、個性的な人間が揃っていました。

ーお会いしてみたいです。
先日、BUSHIZOさんに編集部員の思い出の写真について取材していただきましたが、そのエピソードを読んでも、面白い写真をセレクトするなと感心しました。

僕は自分でアイデアを出すというより、人の話を聴いている方なんです。独断は失敗する方と思っています。
みんなの意見を聞いて、アイデアを出しあうことで雑誌を創ってきました。

衝撃を受けた世界大会と、再出発への想い

ー再出発に懸けるお気持ちをお聞かせいただけますか?

今までの仕事のなかで、世界大会が本当にショックだったんです。私が初めて見た世界大会は、京都で開催された第10回目の大会。今でもよく覚えています。
どこの国も強かった。強かったけど、それ以上に「みんな日本が好きなんた」と感じました。

当時、僕はまだ20代半ばだったので、生意気なところもあったのですが、海外剣士の皆さんを見てそんな気持ちはひっくり返りました。

この人達から刺激をいただきたい。すごい、と思ったんです。アメリカで開催された時も取材に行きましたが、そこでも大変驚かされました。
世界大会は開催が日本だから盛り上がっているんじゃないかと思ったら、アメリカもとても盛り上がったんです。
準備も大変だろうけど楽しそうにやってました。ホスピタリティもちゃんとしていて…。

僕は、日本の中でしか剣道をやったことがなかったんです。東京でしかやってない。だから、こういう世界があるんだって知らなかった。
だから今後は、日本の剣道だけじゃなくて世界剣道もみなさんにもっと知ってほしい。外国の考え方を知り、お互い学び合えたら素晴らしいんじゃないかと。
最後に、これまでご愛読いただきました読者の皆様、剣道界の皆様、誠にありがとうございました。

ーそのお気持ち大変共感いたします。
雑誌は一時休刊になってしまいますが、剣道日本の再出発を心待ちにしております。

※こちらの記事公開の後、2019年1月号に復刊しております。(2022年2月22日追記)

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