著者:BUSHIZO渋谷ショールーム店長 工藤
公開日:2026年1月20日
更新日:2026年2月7日
剣道を始めるにあたって、最初に購入する道具が竹刀です。一見どれも同じように見える竹刀ですが、実は長さ・重心・柄の形・素材など、さまざまな違いがあります。
自分に合わない竹刀を使うと、振りやすさや打突の安定感が損なわれ、パフォーマンスにも大きな影響が出てしまいます。逆に、自分にぴったりの竹刀を見つけることで、まるで腕の一部のように自然に扱えるようになります。
この記事では、初心者から上級者まで、自分にぴったりの竹刀を選ぶためのポイントを、剣道具専門店の視点からわかりやすく解説します。
目次
1. 竹刀とは?基本構造と仕組み
竹刀(しない)は「四つ割り竹刀」と呼ばれ、4本の竹片を合わせて革製の部品でまとめたものです。

仕組部品

竹刀は以下の部品で構成されています:
- ① 柄革(つかがわ):握り部分を覆う白い革
- ② 先革(さきがわ):竹刀の先端を覆う革(鹿革が一般的)
- ③ 先ゴム:安全性を確保する先端部の保護ゴム
- ④ 中結(なかゆい):弦を途中で縛る革紐、竹刀の強度を保つ
- ⑤ 弦引き:弦を固定するための部品
- ⑥ 弦(つる):竹刀の背に通された紐(テトロン製が柔軟で人気)
竹刀の特徴:
- 四つ割りの竹片を組み合わせた構造
- 革製の部品で固定し安全性を確保
- 定期的なメンテナンスが必要
2. 竹刀各部の名称と役割

竹刀は多くの部品で構成されています。それぞれの役割を理解しておくと、メンテナンスや選び方がよりわかりやすくなります。
主要部位の説明
- 柄(つか):竹刀を握る部分。白い革部分を「柄革」と呼びます
- 柄頭(つかがしら):柄の先端部分
- 鍔(つば):拳を守る部分。プラスチック製や革製などがあります
- 鍔止め(つばどめ):鍔を固定するための部品。ゴム製が一般的
- 弦(つる):竹刀の背に通された紐。テトロン製が最も柔軟で人気
- 中結(なかゆい):弦を途中で縛る革紐。竹刀の強度を保ちます
- 物打ち(ものうち):打突の中心となる部分。剣先から中結までの間
- 先革(さきがわ):竹刀の先端を覆う革。鹿革が一般的
- 剣先(けんさき):竹刀の最先端部分。安全性を確保する重要箇所
各部品の役割:
各部品はそれぞれ安全性と機能性を保つための重要な役割を果たしています。定期的な点検と交換が必要です。破損した部品をそのまま使用すると、自分だけでなく相手にも怪我をさせる危険があります。
3. 公式戦での竹刀規定【2026年版】
全日本剣道連盟の『剣道試合・審判規則』では、竹刀の長さ・重さ・太さが細かく定められています。規格外の竹刀は試合の検量で不合格になることもあります。

年齢・性別別の竹刀規定一覧
| 区分 | サイズ | 長さ | 重さ(男性) | 重さ(女性) | 先端部最小直径 | ちくとう最小直径 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 小学生 | 28〜36 | 規定なし | 規定なし | 規定なし | 規定なし | |
| 中学生 | 37(3尺7寸) | 114cm以下 | 440g以上 | 400g以上 | 25mm以上 | 20mm以上 |
| 高校生 | 38(3尺8寸) | 117cm以下 | 480g以上 | 420g以上 | 26mm以上 | 21mm以上 |
| 大学生・一般 | 39(3尺9寸) | 120cm以下 | 510g以上 | 440g以上 | 26mm以上 | 21mm以上 |
試合前の検量について:
公式戦では試合前に竹刀検量が行われます。規定を満たさない竹刀は使用できません。
- 長さ:付属部分を含む完成品の全長で測定
- 重さ:鍔を含まない完成品の重量で測定
- 安全確認:ささくれや割れがないかもチェックされます
普段からのメンテナンスが重要です。
竹刀サイズの呼び方
竹刀のサイズは尺寸で表されます。数字の読み方は以下の通りです:
- 28 → にっぱち
- 30 → さぶぜろ
- 32 → さぶに
- 34 → さぶよん
- 36 → さぶろく
- 37 → さぶなな
- 38 → さぶはち・さんぱち
- 39 → さぶく
4. 年齢・体格別の竹刀サイズの選び方

竹刀は、体格や年齢、競技レベルによってサイズが異なります。適切なサイズを選ぶことが上達への第一歩です。
小学生(28〜36サイズ)

小学生は身長に合わせて「3尺0寸〜3尺6寸」程度を使用します。一般的には「足から脇と肩の中間点の高さ」と同じ長さが目安です。
小学生の目安:
- 小学校入学前:28サイズ(にっぱち)
- 小学1〜2年生:30〜32サイズ(さぶぜろ〜さぶに)
- 小学3〜4年生:34サイズ(さぶよん)
- 小学5年生:34〜36サイズへ徐々に移行
- 小学6年生:36サイズ(さぶろく)
小学生のうちは身長や力にばらつきがあるため、無理して長い竹刀を使わないことが大切です。重たくて打ちにくくなり、正しいフォームが身につきません。体の小さいお子様なら、3年生でも32サイズで十分です。
中学生(37サイズ)
3尺7寸(114cm)以下の竹刀を使用します。中学生以上になると公式戦で竹刀検量が行われるため、規定を満たした竹刀が必要です。
男女で重さ・太さの基準が異なるため、試合用は必ず性別に合った規格を確認しましょう。剣道具店では「男子用」「女子用」と表記されていることが多いです。
高校生(38サイズ)
3尺8寸(117cm)以下の竹刀を使用します。中学生よりも重く、太さの基準も厳しくなります。高校生の公式戦では特に厳格に竹刀検量が実施されます。
大学生・一般(39サイズ)
3尺9寸(120cm)以下が基準です。39サイズになると竹刀の種類も豊富になり、自分の剣風に合った重心や柄形を選ぶ楽しみも増えます。
竹刀の扱いに慣れた段階では、自分の得意技や剣道スタイルに合わせて、重心や柄の形状をこだわって選ぶことをおすすめします。
サイズ選びの基本原則:
- 身長に合った長さを選ぶ
- 成長期は少し余裕を持たせても可
- 試合用は規定を必ず確認
- 稽古用と試合用を使い分けることも検討
- 無理して大きいサイズを使わない
5. 重心の違いによる竹刀の特徴
竹刀は、重心の位置によって大きく3つのタイプに分けられます。それぞれ特徴と向いている技が異なります。
普及型(一般型)
最も標準的な竹刀で、重心が中央付近にあります。耐久性が高く、初心者や稽古用に最適です。バランスが良いため、どのような技にも対応でき、剣道を始めたばかりの方に特におすすめです。
普及型の特徴:
- 重心が中央でバランスが良い
- 耐久性が高く長持ちする
- 価格が比較的安価
- 初心者の基本稽古に最適
- どの技にも対応できる万能型
胴張型・実戦型
重心が手元寄りにある竹刀です。柄の上部が少し太く作られており、軽く感じられるため、操作性に優れています。
胴張型:手元部分が太く、重心が手元寄り。試合や昇段審査に向いています。
実戦型:胴張型よりさらに先端を細く削り、より軽く感じる設計。連続技や引き技が出しやすいですが、耐久性はやや低めです。
胴張型・実戦型の特徴:
- 重心が手元寄りで軽く感じる
- 連続技が出しやすい
- 引き技に向いている
- 近い間での技に有利
- 試合向きの設計
- 普及型より耐久性は劣る
古刀型
重心が先寄りの竹刀です。振りが重く感じられますが、一撃の強さと安定感があります。実際の日本刀に近い重量バランスで、打突時の手応えがしっかりあります。
古刀型の特徴:
- 重心が先端寄り
- 一撃の威力が強い
- 打突の安定感がある
- 日本刀に近い感覚
- 面打ちに向いている
- 上級者・審査向き
6. 柄(つか)の形状と選び方
竹刀の握り部分である「柄」にもいくつかの形状があります。正しい握り方を習得する上でも重要な要素です。
丸型
最も一般的な形状。断面が円形で、扱いやすく汎用性が高いです。多くの竹刀で採用されており、価格も手頃なものが多いです。
小判型
木刀に近い楕円形の断面。自然に正しい握りができるため、初心者に特におすすめです。
小判型が初心者におすすめの理由:
竹刀を握るときは両手の親指が下を向くように握ります。しかし、特に防具をつけ始めたばかりのころは、小手をつけると竹刀の握りが「横握り」になってしまうことがよくあります。
小判型なら、楕円形の形状により自動的に正しい握り方になりやすく、横握りを防ぐことができます。
正八角型
八角形の断面で操作性が高いですが、製作に手間がかかるため希少で高価です。手に吸い付くような感覚があり、上級者に好まれます。
八角小判型
八角形+楕円形のハイブリッド型。刃筋を意識しやすく、握った際にしっかりと手にかかります。8つの角があり操作性に優れていますが、価格は高めです。
| 形状 | 特徴 | 価格 | おすすめの方 |
|---|---|---|---|
| 丸型 | 最も一般的で扱いやすい | 安価 | すべての方 |
| 小判型 | 正しい握りが自然にできる | やや高価 | 初心者 |
| 正八角型 | 操作性が高く手に吸い付く | 高価 | 上級者 |
| 八角小判型 | 刃筋を意識しやすい | 高価 | 上級者 |
7. 柄の長さの選び方
柄の長さも竹刀の使いやすさに大きく影響します。自分の剣道スタイルに合わせて選びましょう。
標準の長さ
竹刀を立てて鍔元を右手で持ち、肘を曲げたときに柄頭が肘にくる長さが標準です。ただし、流派や剣風によっても理想の長さは異なります。
柄短型
柄を短く設計した分、刀身を長めにデザインしている竹刀です。
柄短型の特徴:
- リーチが長くなる
- 遠い間からの面打ちに有利
- 突き技に向いている
- 間合いを制しやすい
- 体格が大きい方に適している
柄長型
柄を長く設計した竹刀です。
柄長型の特徴:
- 近い間での操作性が高い
- 小手技に向いている
- 引き技が出しやすい
- 細かい技の連続に有利
- 体格が小さい方にも適している
8. 柄の太さの選び方
柄の太さも竹刀の使いやすさに影響します。手の大きさに合わせて選ぶことが基本です。
標準(直径約25mm)
39男子用の竹刀の最も一般的な太さです。まずはこの太さから始めることをおすすめします。※直径は左手握り部分を計測します。
細め
女性や手の小さい人向け。握りやすく竹刀の重みを利用して強い打ちが出来る反面、竹刀の先が相対的に重く感じられます。
太め
手の大きい人・握力が強い人向け。重心が手元に寄るため、振りが軽く感じられます。
男子用としては左手27mm以降の太さの竹刀を極太と呼称することが一般的です。
太さ選びのポイント:
柄が太めの竹刀は重心が手元にあるため、比較的軽く感じます。胴張型も同様に軽く感じやすい設計です。
握った時にしっくりくるものを選べるとベストです。実際に剣道具店で試し振りをして、自分の手に合った太さを見つけましょう。
9. 竹刀の素材による違い
竹刀の素材は主に4種類あります。それぞれ特徴があり、価格や耐久性、打感が異なります。
| 素材 | 特徴 | 価格 | 耐久性 |
|---|---|---|---|
| 桂竹 | 最も一般的。安価だがささくれやすい。最もしなってくれる。 | 安価 | 中程度 |
| 真竹 | 繊維が密で柔らかく、割れにくい。打感が良い | 高価 | 高い |
| 燻竹 | 燻して耐久性を強化。独特の色と香り | 中価格 | 中程度 |
| ソリッドバイオ | 加熱処理で弾力性と耐久性を向上。安全性も高い | 高価 | 高い |
各素材の詳細
桂竹(けいちく): 皮目の密度が非常に高く丈夫で硬質な一方、縦に長い繊維によって柔軟性も持ち合わせ、最もしなりやすいと言われます。ささくれが出やすい性質がありますが価格が安く、日常の稽古用としても最適です。
真竹(まだけ):繊維が密で肉厚で、弾けるような爽快な打突感が特徴。打ち心地の良さが魅力であり、試合や審査で使いたい上質な竹刀です。比較的生息数が少ないため高価ですが、ささくれは出にくいと言われます。
燻竹(くんちく):燻して耐久性を強化した竹。独特の色と香りが特徴で、長期間使用できます。
ソリッドバイオ:加熱処理により弾力性と耐久性を向上させた現代的な竹刀。安全性も高く、メンテナンスも比較的簡単です。
10. 初心者におすすめの竹刀
剣道を始めたばかりの方には、以下の組み合わせがおすすめです。
初心者におすすめの竹刀:
形状:普及型(一般型)
重心が中央でバランスが良く、どんな技にも対応できます。
柄の形:小判型
自然に正しい握り方ができ、横握りを防ぎます。
素材:桂竹
最も一般的で価格も手頃。稽古用として最適です。
サイズ:年齢・身長に合ったもの
無理して大きいサイズを使わず、適切なサイズを選びましょう。
11. 竹刀のメンテナンス方法
竹刀は定期的なメンテナンスが必要です。安全に使用するために、以下の点を確認しましょう。
日常の確認事項
ささくれチェック:竹刀表面にささくれがないか確認。ささくれがある場合は紙やすりで削るか、新しい竹刀に交換します。
割れの確認:縦方向の割れがないかチェック。割れた竹刀は危険なので使用しないでください。
付属品の確認:柄革、先革、中結、弦などが正しく装着されているか確認します。
先ゴムの確認:先ゴムが外れていないか、破損していないか確認します。
メンテナンスのポイント
- 使用後は竹刀を乾いた布で拭く
- 湿気の多い場所での保管は避ける
- 長期間使用しない場合は、風通しの良い場所に立てて保管
- 定期的に分解して竹片の状態を確認
- 弦や中結は定期的に交換
安全のための注意:
ささくれや割れのある竹刀は、相手にけがをさせる危険があります。試合前の竹刀検量でも不合格となります。
安全のため、異常を発見したらすぐに使用を中止し、修理または交換してください。
12. よくある質問(FAQ)
Q1. 竹刀はどのくらいの頻度で交換すべきですか?
A. 使用頻度や竹刀の品質によりますが、週3〜4回の稽古で2〜3ヶ月が目安です。ささくれや割れが見られたら、すぐに交換してください。安全が最優先です。
Q2. 試合用と稽古用で竹刀を分けるべきですか?
A. 可能であれば分けることをおすすめします。稽古用3は耐久性重視の普及型、試合用は打感や操作性重視の胴張型や真竹製を使い分けると良いでしょう。
Q3. 竹刀の弦(つる)は何色を選べば良いですか?
A. 白色のテトロン製が最も柔軟で一般的です。色による性能差はほとんどありませんが、所属団体や道場によっては指定がある場合がありますので、確認してください。
Q4. 身長が伸びる時期、どのタイミングで竹刀サイズを変更すべきですか?
A. 竹刀を立てたときに、足から脇と肩の中間点より明らかに短くなったら変更のタイミングです。小学生の場合、小学5年生の夏頃から徐々に大きいサイズに移行することをおすすめします。
Q5. 真竹と桂竹、初心者はどちらを選ぶべきですか?
A. 初心者は桂竹をおすすめします。価格が手頃で耐久性が高く、稽古に最適です。真竹は打感が良いですが高価なので、試合や審査用として使うと良いでしょう。
Q6. 竹刀の重心は実際にどう確認すればいいですか?
A. 竹刀を水平に持ち、指1本でバランスが取れる位置を探します。その位置が中央付近なら普及型、手元寄りなら胴張型、先端寄りなら古刀型です。購入前に剣道具店で試し振りをして確認することをおすすめします。
Q7. 竹刀の保管方法は?
A. 風通しの良い場所に立てて保管するのが理想的です。湿気の多い場所や直射日光が当たる場所は避けてください。長期間使用しない場合は、分解して竹片の状態を確認し、乾燥させてから保管しましょう。
13. まとめ:自分に合った竹刀を見つけよう

竹刀は形・重心・素材など、さまざまな要素で特徴が変わります。自分にぴったりの一本を見つけることで、まるで腕の一部のように自然に扱えるようになります。
竹刀選びのまとめ:
1. サイズ:年齢・身長に合った長さを選ぶ
2. 重心:初心者は普及型、上級者は自分のスタイルに合わせて
3. 柄の形:初心者は小判型がおすすめ
4. 柄の長さ:肘を曲げて柄頭が肘にくる長さが基本
5. 柄の太さ:手の大きさに合わせて選ぶ
6. 素材:稽古用は桂竹、試合・審査用は真竹
7. メンテナンス:定期的に確認し、安全に使用する
8. 試合規定:公式戦では規定を必ず確認
まずは自分の体格や目的(稽古用・試合用)を明確にし、「これは!」と思える一本を探してみましょう。
購入時のアドバイス:
可能であれば、実際に剣道具店に足を運んで試し振りをすることをおすすめします。竹には個体差があるため、同じ銘柄の竹刀でも振り心地には微妙な差があります。
オンラインで購入する場合は、サイズや重さの規定をしっかり確認し、不明点は店舗に問い合わせましょう。
※本記事の情報は2026年2月時点のものです。全日本剣道連盟の規定は変更される場合がございますので、最新情報は全日本剣道連盟公式サイトをご確認ください。
※竹刀の選び方は個人の体格や剣道スタイルにより異なります。不明な点は指導者や専門店にご相談ください。
※各店舗の在庫状況や価格は、直接店舗にお問い合わせください。
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専門スタッフがお客様に最適な竹刀選びをサポートいたします。
お問い合わせ:
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