◯◯があれば剣道はさらに世界に広まる!『ドラゴン桜』三田紀房先生インタビュー【中編】

2017年12月5日 • インタビュー, 漫画家 • Views: 243

大ヒットした『ドラゴン桜』や『砂の栄冠』、さらには現在好評連載中の『アルキメデスの大戦』の作者である三田紀房先生。小学校から大学までバリバリ剣道を続けていらっしゃいました。
そんな先生に、剣道を継続する人を増やすためにはどうしたらいいか、また、剣道を商売にすることについてインタビューしました。

前編
『ドラゴン桜』『砂の栄冠』の三田紀房先生が剣道で得たものとは

プロフィール

三田 紀房(みた・のりふさ)
明治大学政治経済学部を卒業後、西武百貨店に入社。家業の衣料品店を兄とともに引き継ぐ。経営不振と多額の負債で資金繰りに苦しむ中、漫画雑誌の新人賞の募集を見て、賞金を得るために応募・入賞。『クロカン』『ドラゴン桜』『マネーの拳』『砂の栄冠』など数々のヒット作を生み出す。『個性を捨てろ! 型にはまれ!』『汗をかかずにトップを奪え!』などビジネス書の執筆も行う。
「モーニング」「週刊Dモーニング」では“投資”をテーマにした『インベスターZ』も連載(2017年6月完結)。現在「ヤングマガジン」にて『アルキメデスの大戦』を連載中。

 

剣道の競技人口を増やすために

― 剣道をやめてしまう人が多いといわれています。どうしたら続ける人が増えると思われますか?
剣道に限らず、一つのスポーツをずっと続ける人って相当好きな人だと思うんです。
人間て、生きてるうちに色んな新しい興味も出るし、生活環境も変わります。
そんななかで何とかして剣道しようとするのは本当に好きな人。
僕から見るとちょっと病的に好きな人です(笑)。でも、それは同時にすごく尊いことだと思います。

剣道を本気で好きな人は競技人口の10%くらいではないでしょうか。
残りの90%を何とかしようというのは、土台無理な話だとおもいます。
そもそも、何か一つのことをずっと好きであり続けること自体、幻想というか……基本ありえないとおもう。
だから、それを前提にどうやって”10%”の周辺部分を増やすかを考えたほうがいい。

そのために、何をすればよいか。まず情報が少ないですよね。
やっぱり仲間がいないと剣道の雰囲気は味わえないし、充実感が得られない。
だから、「ここで剣道やってます!」と、発信することが大事ではないでしょうか。
こういう道場主がいて、何人くらいの子どもがいて……といった情報です。
チャンネルを一つ作って、そこにアクセスすると、自分の近辺の人たちで剣道している人を見つけることができるなど。

また、「これは剣道に限ったことでない」という認識を持つことも大事です。
危機感を持って努力をしても、報われないかもしれません。
報われない努力をすると挫折感を感じて、将来に対する明るい夢を持てなくなってしまうんですね。
だから、あまりダメージを受けないように、「剣道だけではなくて、野球もラグビーも同じ」と考えることが大切です。
それくらいのスタンスでやるのが良いとおもいます。
― 取り組む前に聞いておいて良かったです(笑)
なんとかしたい気持ち、すごくよく分かります。
まずは剣道に限らず、どのスポーツでも難しい取り組みだという前提に立ちましょう。そこから出来ることを考えていくのがいいと思うんです。
課題を一つ一つ潰して、成果を出していく方が良い


剣道を仕事にすることについて

― ”剣道でお金を稼ぐことはけしからん”という風潮が少なからずあります。剣道でお金を稼ぐことについては、先生はどうお考えですか?

全日本選手権に出場するような方のなかには、ほぼ剣道しかしていない方もいますので、実際に剣道が仕事になっています。
それが一般の方に向けても、もっとオープンに発信されていると良いのでは。この先生方はプロ剣士です、剣道で生きてます、と。

全日本選手権のNHKの中継なんて、よっぽど好きじゃないと見ないですよ。
一般の人は、だれも興味ない。でも、パッと見て「警察の人かな」などイメージがあるくらいだと思うんです。
だから、”剣道家”、”武道家”が実際にはいて、剣道だけで生きてる人がいますよと発信した方がいいと思います。
厳密には警察官としてお給料をもらっていますが……”剣道家”、”武道家”が日本にはあるんだと認識を確立するんです。

プロという呼び方を嫌う方もいるかもしれませんが、”剣道家”、”武道家”をひとつの職業として広めることで、プロのハードルが下がると思います。


砂の栄冠』三田紀房 / 講談社
「剣道を仕事にすること、お金をかせぐこと」については
お金をテーマとした作品を多く描いている三田先生にぜひ伺いたかった質問です

 


インベスターZ』三田紀房 / 講談社
金投資と剣道に通じる勝利の秘訣について語られるシーン

 

ー実業務もあるかと思いますが、警察の特別訓練員の方々などは剣道に特化されていますよね。

もしくは、剣道の大会をプロデュースするなどして、コンテンツをつくるのはどうでしょう。
企業をスポンサーにつけて日本一決定戦をやるとかそうすることで、クリーンな形で世の中に剣道をコンテンツとして提供できる気がします。

もっと言えば、全日本選手権の映像をアニメで画像処理して、有効打突の瞬間をアニメっぽくしたら面白いですよね。
アニメの技術を使って画像処理して、インターネット配信するんです。それも、世界に向けて。

 

― いままで剣道に興味がなかった方にもアプローチができそうですね。

剣道の一番の弱点は、一本がいつ入ったのかわからないことだと思います。
一般の人はわからない。それを画像処理することで、「おもしろい」「かっこいい」と感じてもらえるよう、分かりやすく演出するんです。
そういうことをすれば、今までとは違う層をユーザーを取り込むことができるはずです。

 

― 情報を発信するという視点が、剣道界にはあまりないかもしれません。

情報を発信すると何かが失われると心配する人がいるのかな。
厳かな雰囲気がなくなるとか、品格が損なわれるとか……。
それはそれで保ったまま、もう少し娯楽性を加味したものが出てきてもいいのではないでしょうか。
剣道に全く触れなかった100万人のうち10人でも興味を持てば成功だと思います。

一本が入ったか、入っていないかは、剣道経験者のみが感じられる快感です。
一般の人は置いてけぼり。剣道を経験していなくても「すごい」「こんなに速いんだ」「よくわからなかったけど、あたってるんだ」みたいな……。
人間には、”不思議なもの”を求める快感があります。
エンタメ性をもっと追求して、不思議なものに惹かれる人の欲求を満たすのも、面白いんじゃないかな。

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取材:上島郷、工藤優介
写真:小林里奈
文:佐藤まり子

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後編に続きます。

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剣道を愛するすべての人に“をテーマとした老舗の剣道雑誌。昭和51年に創刊され、剣道の情報を伝えるメディアとして、多くの方々に愛されています。剣道の入口に立ったばかりの方から、さらに剣道の深奥に踏み入ろうとする人にも応えられる雑誌です。
今回の三田先生のインタビューや「海外”剣”聞録」など、BUSHIZOからも多くの記事を提供中。

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