皆さんは、垂ネーム(正式呼称:名札)を選ぶ時、どのような点に着目して選んでいますか?「垂ネームって、どれも同じじゃないの?」と思われるかもしれませんが、実は、用途や素材によって、さまざまな違いがあるのです。今回は、そんな垂ネームの選び方をまとめました。
目次
垂ネーム(名札)とは
垂ネームとは、垂れの中央につける所属名と本人の名前を書いた袋状の名札のこと。剣道では、たいていの人が同じような紺の道着に紺の防具を着けているうえ、面によって顔が隠れて、誰が誰だかさっぱり分からなくなってしまいます。ですが、垂ネームをつけることで、遠くからでも一目で誰だか判別できるようになります。
『垂ネーム』、『名札』、『ゼッケン』などと呼ばれていますが、実は『名札』が正式名称です。以下の通り、全日本剣道連盟より平成25年に周知がされています。
- 正しい剣道用語の使用について
全剣連では剣道指導要領等で剣道用語の統一を図っています。あらためて正しい用語のご指導をお願いします。
「例」試合場《×コート》、名札《×ゼッケン、垂れネーム》、中結い《×中〆》、剣道着《×稽古着》、剣道具《×防具(ただし文部科学省では防具を使用)》
垂ネームの決まりと正しいつけ方
垂ネームはどのようにつけるのでしょうか?
試合者の名札は、以下の通りとし、中央の垂れにつけます。
※全日本剣道連盟HPより抜粋
この他に、白い防具を着用している人の中には、白い生地に紺の文字の垂れネームの方もいるようです。
サイズについて
垂ネームのサイズには、次の3つのパターンがあります。
(1)小サイズ:縦24×横16cm
(2)中サイズ:縦25×横17cm
(3)大サイズ:縦26×横18cm
ちなみに、身長160cm以上の方がつけている防具では大サイズ、中学生や細身の女性は中サイズとなるケースが多いです。
サイズは、縦と横の最も長いところを測りましょう。その時、縦は止め革の下から測るようにします。
字体について
垂ネームの字体には、次のようなものがあります。
他には、書道家による勝負文字や開運によいとされる開運書体や、自分自身でかいた字を持ち込んで作ってもらう持ち込み書体などもあるようです。
素材としては、クラリーノなどを貼り付けるタイプのもの、糸で刺繍を施したものなどもありますので、文字の風合いにこだわって選ぶのも楽しいですね。
ただ、所属によっては、字体が決められていることがありますので、作る前に確認しておいた方がよいでしょう。
また、お店に依頼するときには、名前の漢字が間違って伝わらないように気をつけましょう。特に旧字体を用いる場合、充分注意が必要です。
文字の色について
文字部分の白さにも、真っ白、ちょっと金、ちょっと銀、ちょっと青、ちょっと緑、ちょっと紫など、微妙に違いを出しているものもあります。
垂ネームの選び方
垂ネームの選び方には、用途で選ぶ、素材で選ぶ、形で選ぶ、の3通りがあります。
それぞれについて、おすすめ商品をご紹介します。
(1)用途別 おすすめ商品
(a)稽古用
普段の稽古に用いる垂ネームは、安価で、いつでも買い換えられるものでよいでしょう。
紺色生地にハリロン生地を切り抜き、大型の高熱圧縮式アイロンにてプレスし接着させて作成しています。
お求めやすい価格のため、小学生にもおすすめです。
(b)試合用
試合や審査に用いる垂ネームは、やはり見栄えが美しいものがおすすめです。
生地部分に正藍染紺反を用いたものは、高級感があってよいでしょう。
生地部分には武州正藍染の紺反を用い、文字は刺繍タイプのもの。
武州正藍染の生地は高級感があり、使うごとに良い風合いが出ます。
垂れネームはそう度々買い換えるものでもないと思いますので、しっかりとした良いものをひとつ持っておくとよいのではないでしょうか。
生地部分は正藍染紺反を用い、文字にはクラリーノを使用しています。
クラリーノを正藍染め紺反に縫い付けていることにより、見栄えが良く、長持ちする商品です。
(c)2つの所属名の垂れネームが必要なとき
剣士の方の中には、会社と地元の剣友会など、2つの団体に所属している方もいらっしゃることでしょう。もちろん、2つの垂ネームを持つことが多いと思いますが、2つもあると、場合によっては「あ!間違えた!」と、もう一つの団体の垂ネームを持って行ってしまうことはないでしょうか。
そんなことにならないために、表と裏のそれぞれに別の団体名を入れられる、こんな垂れネームはいかがですか?
文字部分にはクラリーノを用いていますので、見栄えがよいです。
表と裏、それぞれに所属名と名前を入れられます。
(d)試合の助っ人用
自分自身が助っ人として試合に出場するときや、助っ人を頼む可能性があるときに、所属名のみが入ったゼッケンを用いることがあります。いつもの自分の垂ネームの所属名の上に巻き、マジックテープで装着するものです。
所属名のみの垂ネームです。生地は正藍染、文字部分はクラリーノ。
注文するときは、もともとお持ちの垂ネームのサイズに合わせた大きさで作ります。
(2)本体部分の素材別 おすすめ商品
次は、本体部分と文字部分の素材別におすすめ商品をご紹介します。
普通の黒生地から正藍染紺反などいろいろな生地が用いられています。
(a)黒生地
紺色生地にハリロン生地を切り抜き、大型の高熱圧縮式アイロンにてプレスし接着させて作成しています。お手頃な価格の商品です。
(b)正藍染紺反
厳選した天然の材料だけを使い、熱を加えず自然に発酵させるという、日本の伝統的な方法で藍液を作り、藍染めをしたものを正藍染といいます。化学藍染めに比べて、色落ちしにくいという特徴があります。
生地部分は正藍染紺反を用い、文字にはクラリーノを使用しています。
(c)武州正藍染
武州正藍染は、江戸時代から続く藍染のまち、埼玉県武州地域の名産品。藍の葉から自然発酵建てでとった染料によって染めるのが特徴で、手染めのため微妙な風合いがあり、洗えば洗うほど色が冴えて美しい風合いが出るといわれています。
生地部分には武州正藍染の紺反を用い、文字は刺繍タイプのものです。
また、刺繍は文字の書き順を意識して、できるだけ筆運びが美しく見えるように、糸の刺し方を工夫しています。
(d)ビロード地
上記のもののほか、ビロード地を用いたものもあります。ビロード地は、柔軟で摩擦に耐える丈夫さを持ちながら、光沢があり美しく、高級感がある商品となっています。
(3)文字部分の素材別 おすすめ商品
文字部分が、貼るタイプのものと刺繍タイプのもの、それぞれについて、おすすめ商品をご紹介します。
(a)貼るタイプ:クラリーノ
クラリーノは、ランドセルなどによく用いられる合皮で、軽量で加工がしやすいため、文字のデザインを自由に決められます。水にも強いという特徴があります。
生地部分は正藍染紺反を用い、文字にはクラリーノを使用しています。
クラリーノを使用しているので、文字が立体的で見栄えのよい商品となっています。
(b)貼るタイプ:ハリロン
ハリロンとは、株式会社宝来社のブランド名で、チーム名や番号をマークする生地に、熱で溶ける接着フィルムを開発したもの。文字部分を高熱で圧着させています。
紺色生地にハリロン生地を切り抜き、大型の高熱圧縮式アイロンにてプレスし接着させて作成しています。お求めやすい価格になっています。
(c)刺繍タイプ
刺繍タイプは、文字を刺繍ミシンで刺したものです。光沢のある白糸で刺しており、美しく高級感があります。
生地部分には武州正藍染の紺反を用い、文字は刺繍タイプのものです。
また、刺繍は文字の書き順を意識した繊細な刺繍の重なりにより、文字が美しく見えます。また、できるだけ筆運びが美しく見えるように、糸の刺し方を工夫しています。
(4)形状別 おすすめ商品
垂れネームの形が、、筒状のものと裏側がV字に縫製されているもの、それぞれについて、おすすめ商品をご紹介します。
(a)筒状
袋の入り口を、筒状に塗ってある商品です。上でご紹介した商品(所属名のみ版を除く)はすべて筒状の製品となっております。
(b)V字縫製
袋の口の裏側を、V字にカットして縫製してあるもの。もたつきがちな口の部分がすっきりして美しく見せることができます。
袋の口の部分に、幅広のゴムを使用しておりますので、見た目がより美しくなっています。生地は正藍染紺反、文字部分にはクラリーノを使用しているため、高級感もあります。
新しい垂ネームで心機一転
新しい学校や所属に入ったときはもちろん、新しく防具を買い求めたときなど、一緒に垂れネームも新調して、心機一転するのはいかがでしょうか?
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