はじめに
これから剣道を始める初心者・入門者に向けた剣道の防具の選び方をガイドいたします。
剣道未経験者、または入門のお子様の防具選びは、どのように選んでいけばよいか難しいと思います。
防具屋さんの説明を聞いても初めての単語も多く、メリット・デメリットを即時に理解することは困難です。
ここでは、ご自身で判断できる基礎知識を身につけていただきたいと思います。
目次
剣道の防具とは
防具の種類(対象者)
防具の種類(素材と作り)
適切なサイズの選び方
選び方のまとめ
|剣道の防具とは
剣道の防具は、面・小手・垂・胴の4つを指します。
武道具やショップで販売される際には、これらをまとめて「防具セット」としてまとめて販売されていたり、それぞれ単品でも売られています。
防具の一番の目的は、自身の体を相手の打突から守ることです。そのため、しっかりとした衝撃吸収性と適切なサイズの防具を着用することが大事です。
また、適切なサイズの防具を着用しないと、剣道技術の向上を妨げる要因にもなりますので細心の注意を払いたいところです。
(1)面
頭、顔、顎、肩を守るのが面です。顔の正面は、面金で保護されます。
面金は、上から6本目と7本目の間(少年用では5本目と6本目の間)の位置は物見(ものみ)と呼び、それ以外の部分よりも幅が広く視界が良いため、そこから目線を合わせます。物見と目線がしっかり合っているかどうかは、サイズ確認の際に必ず忘れないようにしてください。
頭の上部を覆う面布団がもっとも相手からの打突を受ける部分です。衝撃吸収性と耐久性のある面を選ぶと良いでしょう。
(2)小手
手、前腕をを守るのが小手です。剣道において打突の痛みをもっとも感じやすいのが小手打ちです。
特に初心者は痛みに慣れていないため、薄くて軽い小手を選ばないほうが良いと思います。しかし、硬すぎたり重すぎる小手も使いにくく、バランスの見極めが必要となります。どういったコンセプトで作られているのか、稽古向きなのか試合向きなのか、など表記されていることが多いため見逃さないようにしてください。
(3)垂
腰、局部を守るのが垂です。他の防具と異なり直接有効打突を受ける部分ではないので、全体が刺し子及び布地で柔らかく、動きやすく作られています。最上部の垂帯と、3枚の大垂・2枚の小垂という構造で作られています。
中央の大垂には、自分の所属団体や名前を示す布製または合皮製の名札を付けます。こちらはどのショップでも別売りとなります。所属団体ごとに、製作のルールがあることが多いため指導者へ確認をとることをオススメします。
(4)胴
胸からお腹、腋下を守るのが胴です。強度の高いプラスチックで作られているものが一般的です。
竹で作られている竹胴は昔は一般的でしたが、現在は高段者が主に好んで使うため、初心者は軽くて丈夫で扱いやすい強化樹脂胴やヤマト胴を選ぶと良いでしょう。
|防具の種類(対象者)
防具は主に、小学生用(少年用)と、中学生以上~一般の大きく2つに分かれていると理解するとスムーズです。
メーカーによっては、SS・S・M・L・XLといった表記をしていることも多く、一般的にはSS・Sが小学用、M以降が中学生以上という分類となっていることがほとんどです。
しかし、防具のサイズは年齢に合わせて選ぶものではなく、身体のサイズに合わせて選ぶものですので、上記の分類に忠実に従う必要はなく参考程度として頭にいれておくのがよいでしょう。
なお、基本的には男女兼用なので男性用、女性用という区別はありません。
注意が必要なのは、特殊な体型(高身長・極度の肥満・頭がとにかく大きい)の場合は既成品では難しいことがあります。対応可能な商品を業者に探してもらうか、特注で数ヶ月かけて製作する必要があります。
|防具の種類(素材と作り)
<ミシン刺と手刺>
ミシン刺は、機械のミシンを使って作った防具のこと。手刺は、その名の通り職人さんが手で縫った防具です。初心者に向いているのは、ミシン刺です。
~ミシン刺の特徴~
・手刺に比べて安価なものが多い
・小学生から高校・大学生・一般の方まで幅広く使え、普段の稽古用に限らず試合などにも十分使用出来る
・手刺に比べて、柔らかく軽いため動きやすい
<◯◯mm刺ってなに?>
6mm、8mmなどの表記がほとんどの防具の商品名や説明に書かれています。これは糸の刺し幅のことを指しています。
一般的には刺し幅が狭い(~2mm)と布団(生地)が硬くなる傾向があり、防具の耐久性・強度が増します。逆に、刺し幅が広く(8mm~)なると、柔らかくしなやかになり動きやすくなり、衝撃吸収性がでます。
ミシン刺において、バランスが良いのが6mm刺であると言われることが多く、入門用や稽古用の防具では6mm前後の刺し幅の商品が多い傾向にあります。
<合皮と鹿革>
初心者向けの防具、もしくは初心者にオススメしたい防具には鹿革が使われていることはほとんどなく、合皮素材を使っています。
面の顎部分や、各防具のヘリと呼ばれる部分に使う素材に合皮を貼っています。鹿革を使った防具は高価になり、防具セットでは10万円以上となることが多いです。初心者は、まずは安価な防具から試していくのが良いでしょう。
なお、鹿革のメリットは、なんといっても防具が上質な風合いとなり高級感が増します。また、経年変化による”味”も魅力的です。
合皮だからといって極端に安っぽくなるわけではありませんのでご安心ください。
<新素材>
防具は木綿素材が基本です。しかし、最近は素材の改良が進み、化学繊維(ポリエステル)素材の防具の人気も上昇しています。
人気の理由は、汗や汚れに強く、手入れがラクなことでしょう。木綿は稽古ででた汗を吸い、汚れが付着したまま保管するため悪臭を放ちます。しかし、ジャージ素材の防具は、汗で痛むことはなく、さらに水で洗い流しても問題ないため、快適な状態を保つことができます。
伝統的な風合いや重厚感はありませんが、スポーティーで爽やかに剣道をすることができる新しいスタイルです。
|適切なサイズの選び方
細かな説明は省きますが、大まかな考え方を説明いたします。防具の購入にあたっては、頭と手の計測が必要となります。店舗がある場合は業者に計測してもらい、ネット注文の場合はご自身で行う必要があります。
そして、もっとも大事なことは販売者とのすり合わせです。
すり合わせポイントは、
・これから購入予定の防具は何年使いたいか
もしくは、できる限り長く使いたいとしたらどれくらいまで使えそうか
・成長を見越したサイジングにするかどうか。
また、そうした場合のメリットとデメリットを両者で共有する
(1)面のサイズ
だいたいのケースにおいては、顎~頭頂部周り・鉢巻・物見(目線の高さ)を計測します。
面の既成品は、1cm刻みで用意されています。ご自身で計測する場合は何度も裁縫用メジャーを回し、大きなズレがないか確かめながら計測していきます。メーカーによって異なりますが、顎~頭頂部周り58cm~73cmくらいの間で面のサイズが作られています。
(2)小手のサイズ
だいたいのケースにおいては、縦・手のひら周りの2点を計測します。縦は、中指の先~手首の一番上のシワまで。手のひら周りは、親指を含まない手のひら周りです。
縦よりも手のひら周りのほうが長くなることがほとんどです。そうでない場合は誤って計測している可能性がありますのでご注意ください。
(3)胴・垂のサイズ
基本的には、身長・体重・ウエストなどから総合的に判断してサイズを決めます。
|選び方のまとめ
初心者が防具を選ぶときのポイントは、お手頃価格(3万円~8万円)であること、かつ丈夫で安全性が高いことです。
さらに付け加えるならば、見栄えの良さも加味した、コストパーフォーマンスの高い商品を選んでいただきたいと思います。
“試合・実戦向き”といった表記の防具は選択肢から除外すると良いでしょう。
どのショップでもある程度、質と値段は比例傾向にありますが、上限の予算があればそれを率直に販売者に伝えましょう。
さらに使用者の年齢から考えた場合に適した防具はどれか?という相談の仕方も良いアドバイスを引き出すことができかもしれません。
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