「道」の精神を、サーフィンを通して伝えたい。鎌倉発「ZEN VAGUE」インタビュー

2018年5月3日 • インタビュー, 経営者 • Views: 9521

今回は剣道とすこし離れた番外編です。剣道をやっている方々はご存じでしょうが、武道の源流は「禅」にあります。

「道」を極めるために剣道をしている方も多いと思いますが、サーフィンを通じて「道」の精神を発信していくZEN ENTERPRISEという会社が鎌倉にあります。

BUSHIZOの企業ミッションと共通しているので、気になりすぎて取材に行って参りました!

 

ZEN VAGUE(ゼン・ヴァーグ)とは

画像の出所:ZEN VAGUE(https://www.zenvague.com)

 

—とてもおしゃれな施設ですね。ここでは、どういったことができるのでしょうか?

圡方「ありがとうございます。日本文化のよさを国内外に発信していく目的でこの施設(施設名:ZEN VAGUE)をつくりました。宿泊、ギャラリー、スタジオ、リラクゼーション・サロンなど様々な使い方ができます」

※株式会社ZEN ENTERPRISE取締役の圡方周宏(ひじかた・のりひろ)さん

 

—現在はどういった使われ方が多いのでしょうか?

圡方「海外の方々が宿泊に来られることが多いですね。スタジオも開放しておりまして、近隣の方々にご利用いただいています。先日は、モデルの長谷川理恵さんに侘びヨガの講師を務めていただきました。定期的に開催しているワークショップも盛況です」

画像の出所:ZEN VAGUE

 

—ギャラリーもシンプルで素晴らしいですね。この空間にいるだけで禅を感じることができます。

圡方「ギャラリーも人気です。宿泊できる部屋をご覧になりますか?」

 

 

—ぜひ、よろしくお願いします!

圡方「こちらが宿泊部屋です。サーフボードが飾ってあります。サーファー・藍染め職人としても著名な徳島県の永原レキさんという方に染めていただきました」

—非常に美しいですね…。デザインは貴社オリジナルですか?

圡方「そうですね。青海波(せいがいは)という日本に昔からあるデザインを基調にしています。」

 

圡方「裏面は徳島の鳴門大橋の渦をイメージしてデザインされたものです。デザイナーは東京オリンピックのロゴ制作も担当された野老(ところ)朝雄さんです。永原さんからご提案いただき、採用させていただきました」

 

—裏面を拝見できる機会は貴重ですよね。

圡方「そうですね。ご縁のある方にしかお見せできないので、貴重ですね」

 

—「青」がところどころに散りばめられています。

圡方「ジャパン・ブルーの由来をご存じですか?サッカー日本代表はサムライ・ブルーと呼ばれていますよね。藍には幾つも種類があるのですが、その中でも特に濃い藍色を“勝ち藍”といいます。戦国時代には、縁起物として侍が身につけていたそうですよ。この施設も、青を基調としてつくられています」

 

ZEN VAGUEをつくった理由

※株式会社ZEN ENTERPRISE代表取締役の増田将星(ますだ・しょうせい)さん

 

圡方「中学時代の同級生だった増田と二人で会社をつくりました。当時は一緒にビジネスをやるなんて、全く考えていませんでしたね」

 

—いつからお二人でビジネスをやることを考えていたのですか?

増田「以前から、“日本人によき日本文化が伝わっていないのではないか?“という思いがありました。禅の教えをそのまま伝えたいという気持ちもあったのですが、ストレートにいくと若者は受け入れがたいと思います。若者にも理解してもらえるようにどうしたらよいのか思考した結果、このようなかたちでやることになりました

 

—伝えていくためには、工夫が必要ということですよね。

増田「僕はサーフィンの協会も運営しているのですが、コンセプトは剣禅一如です。剣道と同じですよね。技術・マインドの双方伴うことが肝要です。足していく文化ではなく、よりシンプルなマインドを持ったアスリートを育てたいという思いで運営しています」

 

—「道」の考え方、そのものですね!増田さんは、なぜそういったお考えを持たれたのでしょうか?

増田「僕は昔から変わり者で通ってきました(笑)。日本文化の素晴らしさをもっと発信したいと思っていたんです。剣道もそうですが“道”と名のつく武道は、年輩の方のほうが優れている場合が多いですよね。サーフィンも全く同じで、60歳を越えた方のほうが僕らより上手いことが往々にしてあります」

 

—サーフィンも道に近いものがあるのですね!

増田「自然と相対するので、精神力が求められます。サーフィンを極めた人は『サーフィンを波道(なみどう)と呼んだほうがいいんじゃないか』とおっしゃいます」

 

—サーフィンは道とは違う「スポーツ」だと思っていたので、驚きです!

増田「例えば、イチローのようなスポーツ選手は精神的にも達観していますよね。野球道を極めているというか。筋肉をつければよいということではなく、精神的も高いレベルにあるアスリートを日本から多く輩出したいですね」

 

—圡方さんは、どうして日本文化を発信していこうと思われたのですか?

圡方「僕は海外でサッカーをやっていたので、海外にでて日本文化の素晴らしさを認識しました」

 

ゾーンの正体は、「無心」

増田「少し前に、ラグビー日本代表が話題になりました。中心選手の五郎丸選手が常日頃意識されているのが“無心”という考え方です」

 

—剣道でもよく無心という言葉が使われます。サーフィンでも無心は大事でしょうか?

増田「大事ですね。現在、サーフィンはヨガとセットで考えられることが多いのですが、もともとは著名なサーファーのジェリー・ロペスが禅を始めたことがきっかけです。彼は“禅・サーファー”とまで言われています。波にのっているときは禅でいう“空”の境地に近いと言っています

 

—スティーブ・ジョブズも禅に傾倒していました。ビジネス・スポーツで一流の方は同じような境地に行き着くのかもしれませんね。

 

ジャパニーズ・サーフカルチャーという市場を創りたい

増田「日本のサーフィン・マリンスポーツ業界は海外メーカーの代理店をしているだけなので、まったく儲かりません。日本のプロも若い頃は華やかなのですが、引退後は生活していく術がありません

 

—サッカー選手・野球選手も難しいですよね。

増田「日本ではサーフィンのプロでも生活していくのが難しいです。漁師をやったり、焼肉屋でアルバイトをしながらなんとか生活をしているのです」

 

—この問題はどのように解決しようと思われていますか。

増田「世界のビーチ・カルチャーの中で、日本のビーチ・カルチャーがトレンドになるような活動をしていきたいです。日本のビーチ・カルチャーがトレンドになれば、日本でサーフィンに関わる人たちが潤います。とくに、韓国・中国・ベトナムなどはサーフィン市場が急成長しているので、東京オリンピックでうまくアピールし、インバウンド需要を取り込めないかと思っています

 

—サーフィンは東京オリンピックから正式種目になったので、格好のアピールチャンスですね!

増田「東京オリンピックに間に合うように、ビジネスの構築を急ピッチですすめた背景もあります(笑)。サーフィンを通じて海外の方々に禅などのよき日本文化を伝えたいです。日本人にも、よき日本文化を再認識してもらうきっかけになれれば嬉しいですね

 

まとめ

形は違えど、会社として達成したいことはZEN ENTERPRISE・BUSHIZOは同じだと思いました。ZEN ENTERPRISEという志が同じくした同志に刺激をもらいながら、よき日本文化を伝える活動をしていきたいと気持ちを新たにすることができました。

 

気になった方は、ぜひ一度泊まってみてください!本当にオススメです!

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ZEN VAGUE
9:00 – 21:00
​〒248-0016 神奈川県鎌倉市長谷二丁目7-29
PHONE​ 0467-81-4405
MAIL info@zenenterprisegroup.com

https://www.zenvague.com/house

 

 

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