「青は藍より出でて藍より青し」高柳喜一商店の遠州藍染

2017年6月20日 • 剣道具・作り手のお話, 高柳喜一商店 • Views: 1749

昭和34年創業、高柳喜一商店。縫製・藍染めを国内の自社工場でおこなっている数少ないメーカーとして、その名を知られています。今回は、実際に藍染め工場も披露いただきました。前社長が柔道八段だったこともあり、柔道着にも力を入れている同社。こだわりのオリジナル製品や、新経営陣となってからの方針もお聞きしました。(2017年05月)

 

プロフィール

株式会社高柳喜一商店

代表取締役 高柳成喜 氏

営業 山下英子 氏
営業 田力誠 氏

 

 

創業の背景

—御社の創業背景、御社の強みを教えていただけますでしょうか。

山下「道着・袴の染色技術、縫製技術ですね。国内に自社の縫製工場があります。元々うちは藍染をやっていたので、本社の裏が藍染工場なんですよ。毎日動かしているわけではないのですが」

 

—染めを自社でやっていらっしゃるメーカーさんにお伺いしたのは、初めてです。

田力「創業時は、糸を染めてそれを織屋さんで織ってもらい、反物にしたものを販売していたんです」

 

山下「生地販売を主にやっていたんですね」

—染め色が特殊な感じがします。

薄い色合いが特徴の遠州藍染め

 

山下「遠州染めといいます」

—遠州……?

 

田力「このあたりの地方を遠州というんです」

—そういえば、遠州鉄道に乗ってきました。

山下「その遠州ですね(笑)。隣の静岡は駿河、埼玉が武州といったりします」

 

—遠州染めの特徴はなんでしょうか?

山下「特徴は『薄いこと』です。これが本当の藍だと私たちは考えています。現状では濃いほうが受け入れられているようですが」

 

—染めにも、いろいろなやりかたがあるのですね。

山下「恐らくですが、弊社以外に自社で藍染工場を持っているメーカーはないと思います」

 

—藍染工場を見ることはできますか?

山下「すごく汚いけれど(笑)。でも、それが藍染工場なので」

 

—御社は柔道着のメーカーでもありますよね?

山下「前社長の喜一さんが2017年1月に亡くなったばかりです。祖父が藍染で父は柔道をやっていました。だから剣道も頑張っていましたけれど、柔道に結構力を入れていました」

歴史を感じさせる藍染め工場

 

田力「日本製の道着・袴は、弊社縫製工場でつくっています」

特殊染め

山下「これはあまり注文が来て欲しくない(笑)すごくオリジナル性があるんですが。全部受注生産なんですよ」

草木染め剣道衣

 

 

—特徴的ですね。

山下「他のメーカーさんからも欲しいと言われたりします。以前、試験的にではありますが防具も作りました」

    草木染めの防具

 

ーどういった経緯で製造されたのでしょうか?

山下「アトピーのような、アレルギーがある顧客向けにどうかと作ってみました。自然材料ですね」

 

—柿渋は、においの防止によく聞きます。

山下「藍染も元々そうじゃないですか。汗臭くなる方向けですよね。アレルギー材料を少なくすることを考えて作っています」

 

田力「剣道着・袴は贈り物で買われる方が多いです」

山下「さくら色とサックスブルーの道着をやっているけれど、そちらも人気があります。オリジナルなので」

鮮やかなピンク色の袴

 

山下「小学生くらいのサイズ、さくら色が特に買われています」

—さくら色は初めて見ました。

 

山下「時間が経つと色が変化してくるものですからなるべく在庫は持たないようにしています。受注生産ではないですが、これはそういった品ですので」

海外展開を見据える

社長「弊社はISO(国際標準化機構)を取っています」

 

山下「小さい会社ですが、先代が海外に進出したくてこれを取った方が良いということで。フランスやヨーロッパですと安全性をきちんと考えなくてはいけません」

 

社長「要は、同じものを供給しますということです。よく海外製品ですと初回ロットは良いですが、セカンド・サードロットになるとコストダウンして安い材料に変えて品質が悪くなったりするということがあります。弊社は安定した製品をお客様に提供します」

 

山下「誰がやっても同じものが出来るように、ISOを取って工場も動かしています」

 

—染めに強みを持っていらっしゃるメーカーさんにお伺いしたのは、はじめてでした。本日は、ありがとうございました。

今回インタビューを受けていただいた高柳喜一商店さんの商品ページはこちら
インタビュアー

◎代表取締役 上島 郷

1987年生まれ仙台出身。仙台高校剣道部時代に佐藤充伸氏に師事、インターハイベスト8。

大学卒業後、全米で200店舗展開する外食チェーン店の事業開発責任者を務める。外資インターネット広告運用企業での営業職、株式会社イノーバで営業部・社長室リーダーを経て、2017年1月にBushizo株式会社を設立。

 

◎取締役 工藤優介

1984年生まれ北海道出身。 立教大学法学部卒業。在学中にはフリーマガジンの創刊、アパレルブランドのマーケティング支援を携わる。2008年ヤフー株式会社へ入社。検索連動型広告・ディスプレイ広告などの広告商品の営業に従事。2017年1月にBushizo株式会社を設立。 6歳から剣道を始め現在に至る。

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