防具は基本的に長く使うことができますが、劣化や新しい防具を購入した際には処分することになります。防具は一般的なゴミとは異なりますので、いざ処分となると方法に困る方もいるのではないでしょうか。
今回の記事では、様々な防具の処分方法について紹介していきます。
処分の前に、修理できないか?
小手は劣化も早いため、処分するタイミングが比較的分かりやすいです。しかし面・胴・垂はすぐに劣化するものではないため、処分するタイミングを判断するのが難しいです。
処分するか判断に迷った際には、まずは修理で済むかどうか考えてみてはいかがでしょうか。防具屋さんに行けば、大抵の修理は請け負ってくれます。面布団の裏側の肩部分の擦れ、小手布団の破れ・手の内の穴などは修理ができます。
小手の手の内については、自分で修理出来るタイプのキットも販売されています。擦り切れそうな胴乳革や破れた垂紐も交換することが可能です。防具全体の色あせは正藍液を購入すれば、自分で染め直すこともできます。
安価な防具が増えているので、修理するよりも新品を買った方が金額的には安く済む場合もあります。もし思い入れのある防具などでしたら、安易に処分を考えず一度防具屋さんに相談してみましょう。処分を考えるのはそれからでも遅くありません。
処分方法
新品よりも修理金額の方が高い、劣化が激しいなど様々な理由で防具を処分する機会は訪れます。しかし、使わなくなった防具とはいえ、自分の体を守ってくれていた防具を簡単にゴミとして出すのは後ろめたいものがあるのではないでしょうか。
捨てることは簡単ですので、ゴミとして出す以外の処分方法について紹介していきます。
1.買取
今は様々なタイプの防具買取専門店があります。通常のリサイクルショップでも防具の買取を行ってくれるところもあります。
買取は主に店頭買取・出張買取・宅配買取の3パターンがあります。近くに買取店があるのでしたら直接防具を持っていく店頭買取がもっともスムーズに処理ができます。
近くに買取店がない場合や、防具を持っていくのが手間だという方は、出張買取で自宅に来てもらうか、宅配買取で防具を送れば負担がかかりません。道場や学校などで大量の防具を処分したい時にも便利です。
防具を送る前に無料で査定を行ってくれるところがほとんどですので、金額に納得が行かなければキャンセルすることも可能です。逆に査定金額を気にしないのであれば、金額がつかなくても無料で引き取ってくれる買取店もあります。
処分にお金をかけたくない方、少しでもお金になればと考えている方におすすめです。
2.寄付
防具を寄付する取組みを行っている団体もあります。新しく剣道を始める方への貸し出し用や、物資が不足している海外途上国など、寄付先は様々です。
団体へ送る際に発送料などいくらかお金はかかりますが、防具を梱包して送るだけですので難しい手続きはありません。
特に海外への剣道普及のためには、この寄付事業が欠かせません。なぜなら剣道の国際的普及振興を計る国際剣道連盟には世界57カ国が加入していますが(2015年現在)、その中でも防具屋さんのある国はわずかです。世界の剣道人口を増やしたくとも、防具がないのではそれも難しいのが現状です。
防具の余裕のない国にとっては、日本で捨ててしまう防具もまだ使える防具になります。全日本剣道連盟でも、海外での剣道の普及を目指し諸外国へ寄付を行っています。
剣道の国際的な普及のためにも、まだ使用できる防具であれば寄付を考えてみてはいかがでしょうか。処分するつもりだった防具が、世界のどこかで喜ばれるかもしれません。自分が使っていた防具を世界の誰かが使ってくれるというのは、なんだか夢のある話です。
3.譲渡
寄付よりも少し身近なところですと、誰かに譲るという方法があります。特に子どもの場合、まだ使えるけれどサイズが合わなくなり仕方なく処分というケースがあります。
兄弟が剣道をしているのであればお下がりができますし、道場に通われているのであれば年下の子に譲ることもできます。ただし、サイズが合っていないと危険なので、譲る前にはサイズが合うかどうかしっかりと確かめましょう。
いくらかの劣化は仕方ありませんが汚れやにおいはできる限り落とし、相手が気持ちよく使える状態で譲渡はしましょう。
4.供養
鹿革など動物の命をいただいて作られている防具もあります。今までの感謝の気持ちを込めて処分したいという方は、神社で供養してもらう方法がおすすめです。
供養されたいという方は、近くの神社にお願いしてみるとよいでしょう。懇意にしている神社があれば、相談しやすいです。その際には、きちんとお礼を用意するのを忘れないようにしましょう。お礼は気持ち程度で結構ですが、お礼をすることで今後再び供養する際にも頼みやすくなりますし、神社との関係を円滑に保つためにも必要です。
神主さんを呼び、道場で供養式を行ったという例もあります。自宅の庭で線香をそえ、独自で供養を行われている方もいます(※条例により焚き火が禁止されている地域もあります。
自宅で供養をされたいという方は、お住まいの地域の条例をきちんと確認してから行いましょう)。他にも道場単位でお炊き上げをお願いしているところも複数あるようです。
今は当たり前のように防具が買えて剣道が出来る時代ですが、1つの防具が出来るまでには動物の命も然り様々な人の苦労があります。次世代の剣道界を担う子ども達に感謝の気持ちを忘れないようにしてもらうためにも、防具供養は1つの有効な処分方法かもしれません。
捨てるのは最終手段
様々な事情から、再利用はせずに捨ててしまいたいという方もいるかもしれません。
そういった場合には、お住まいの市区町村のゴミの分別方法に従い捨てましょう。
面以外は可燃ごみに出すことが可能です。面だけは面金の部分が金属ですので、分別が出来るのであれば分別し、無理であれば粗大ゴミとして出しましょう。
まとめ
防具の処分方法は様々ですが、多くはリサイクルすることが可能です。長年使用してきた防具でしたら、少なからず愛着があることでしょう。出来れば捨てる以外の選択肢を選ばれてみてはいかがでしょうか。捨てるはずの防具が、新たな地で喜ばれることもあるのです。
防具の処分を考えられている方は、ぜひ防具の再利用について考えてみてください。
剣道具セレクトショップ BUSHIZO通販サイト TOPページへ