一見どれも同じように見える竹刀ですが、実は、素材や長さなど、いろいろな違いがあります。自分に合わない竹刀を使うと、パフォーマンスにも影響が出てしまいますよね。
今回は、自分にぴったりの竹刀に出会えるための、竹刀の選び方をまとめます。
目次
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竹刀について
通常、竹刀は、「四つ割り竹刀」といい、縦に八等分した竹片4本を合わせて、革製の部品(仕組部品)でまとめたものとなっています。基本的には竹製ですが、現代では耐久性の高いカーボン製の竹刀も普及しています。
竹片4本を合わせたもの
仕組部品
① 柄革 ② 先革 ③ 先ゴム ④ 中結 ⑤ 弦引き ⑥ 弦
竹刀各部の名称
・柄(つか)
鍔から柄頭までの部分。竹刀を構える時は、この柄の部分を持ちます。この白い革を柄革(つかがわ)といいます。
・柄頭(つかがしら)
柄の先端の部分。
・鍔(つば)
竹刀の柄と刀身(柄から剣先までの部分)との間につけて、鍔止め(つばどめ)で固定し、柄を握る拳を保護するもの。プラスチック製、革製、ファイバー製などがあります。
・鍔止め(つばどめ)
鍔を竹刀に固定するために使用するもの。ゴム製のものが主流ですが、革製のものもあります。
・弦(つる)
ナイロン製弦、テトロン製弦、琴弦があります。テトロン製弦が、最も柔軟性や弾力性があるので、よく用いられています。
・中結(なかゆい)
弦を竹刀の途中で縛るための細い革のこと。中結を縛ることで、竹刀の強度を高めています。中結の場所は、竹刀全体の4分の1と規定されています。
・物打ち(ものうち)
剣先から中結までの間の部分。竹刀の打突部は、この物打ちを中心とした刃部(弦の反対側)と規定されています。
・先革(さきがわ)
竹刀の先端部分を覆う鞣した(なめした)鹿革で作られた部品。先革の長さや太さは、全剣連の試合審判規則で規定されています。
・剣先(けんさき・けんせん)
竹刀の先端部分。
公式戦での規定
全日本剣道連盟が、『剣道試合・審判規則』の中で、次のように竹刀の基準を定めています。(赤字は、2019年3月29日付け『剣道試合・審判規則の改正について』を反映しています。)
上記に定める規格を満たさない竹刀は、試合前の検量で不合格となりますし、長さは、付属部分を含む完成品の全長(cm)、重さは鍔を含まない完成品の重量(g)です。
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竹刀の種類
年齢・性別 別
身体の大きさに合わせたサイズの竹刀を選びます。
竹刀の長さは、竹刀規定ではcm(センチメートル)で表されていますが、一般的には『尺』や『寸』が用いられます。ちなみに、1尺=10寸=30.3cmです。
小学生以下
特に、規定はありません。
身長に合わせて、『3尺6寸以下』のサイズから選ぶことが多いですが、目安としては、低学年が3尺0寸(さぶぜろ)、3尺2寸(さぶに)、3尺3寸(さぶさん)、高学年が3尺4寸(さぶよん)、3尺5寸(さぶご)、3尺6寸(さぶろく)を使用しま す。
一般的には、『足から脇と肩の中間点までの高さと同じ長さ』が、身体に合った竹刀の長さといわれています。(剣道指導者によって考え方が違いますので、所属の指導者に確認して下さい。)
小学生におすすめの竹刀はこちら
一般・普及型(稽古用に最適)
胴張実戦型 (試合向き)
中学生
中学生以上になると、多くの公式戦で竹刀検量が行われます。上の表1のように、長さ、重さ、太さ(先端部、ちくとう)に規定が定められており、男性・女性でも、数値が異なります。
男性
長さ:3尺7寸以下
重さ:440g以上
太さ:先端部最小直径25mm以上、ちくとう最小直径20mm以上
女性
長さ:3尺7寸以下
重さ:400g以上
太さ:先端部最小直径24mm以上、ちくとう最小直径19mm以上
中学生におすすめの竹刀はこちら
一般・普及型(稽古用に最適)
胴張実戦型 (試合向き)
高校生
高校生になると、公式戦においてさらに厳格な検量が行われます。
男性
長さ:3尺8寸以下
重さ:480g以上
太さ:先端部最小直径26mm以上、ちくとう最小直径21mm以上
女性
長さ:3尺8寸以下
重さ:420g以上
太さ:先端部最小直径25mm以上、ちくとう最小直径20mm以上
高校生におすすめの竹刀はこちら
一般・普及型(稽古に最適)
胴張実戦型 (試合向き)
大学生・一般
大学生と一般では、同じ規格となります。
男性
長さ:3尺9寸以下
重さ:510g以上
太さ:先端部最小直径26mm以上、ちくとう最小直径21mm以上
女性
長さ:3尺9寸以下
重さ:440g以上
太さ:先端部最小直径25mm以上、ちくとう最小直径20mm以上
大学生・一般におすすめの竹刀はこちら
一般・普及型(稽古に最適)
胴張実戦型 (試合向き)
重心別
竹刀のどこに重心が置かれているかによって、3種類に分けることができます。
一般・普及型
最も一般的な竹刀で、重心が竹刀の中心あたりにあるもの。
耐久性と安全性を重視して作られているため、稽古用に最適です。
胴張・実戦型
胴張とは、剣先から数えて3番目の節のこと。柄に一番近い、この節を張って、重心を手元の近くに置いた竹刀です。普及型に比べて、重心が手元に近いので、竹刀が軽く感じられて、応じ技や返し技、近間での連続技、引き技が打ちやすいといわれています。主に試合用として用いられることが多いです。
実戦型は、胴張であると同時に、柄を太く剣先は細く作られた竹刀です。重心が、胴張型よりもさらに手元にあるので、より竹刀が軽く感じられます。最も速く竹刀を振ることができますが、その分値段が高めになっています。胴張と同様に、試合用として用いられます。
どちらも先が細くなっているため、耐久性が若干劣り、打ちが軽くなる傾向があります。
胴張・実戦型の竹刀はこちら
古刀型
胴張・実戦型とは逆に、手元に膨らみがない竹刀です。一般的な竹刀よりも、重心が先にあるように感じられます。その分、力が必要となってきますが、しっかりとした一本を打つことができます。
古刀型の竹刀はこちら
柄の型別
竹刀の握りの部分である柄の形にも、様々な種類があります。
丸型
柄の形が丸型のもの。市販の竹刀で最も多いタイプです。
小判型
柄の形が、木刀と同じく、小判の形になっています。自然と竹刀を上から握ることができ、初心者が正しい握りを学ぶためや、握りの強制のためによく使用されます。
小判型の竹刀はこちら
正八角型
(参照:西日本武道具Webカタログ)
柄の形が八角形になっているもの。角が多いので、手にかかりやすく操作性が高いです。製作が難しく流通量も少ないため、価格が割高になっています。
正八角型の竹刀はこちら
八角小判型
(参照:西日本武道具Webカタログ)
柄が、小判型のように楕円形になっていると同時に、八角型と同様に八角形になっているもの。刃筋を意識しやすく、操作性も高いです。こちらも、八角型と同じように流通量が少なく、割高になっています。
八角小判型の竹刀はこちら
柄の長さ別
竹刀の柄の長さは、竹刀を上に向けて鍔元を右手で握り、肘を曲げたとき、柄頭がちょうど肘のところにくるものが、適した長さと一般的には言われています。
ただ、これはあくまでも目安にすぎず、人によって、また剣風などによって、ちょうどよい柄の長さというのは異なってきます。
柄の長さは、ある程度は竹刀の節の位置などによるものですが、最終的には竹刀の組み上げの時に、調整して決めていきます。
柄短型
柄が短めの竹刀。遠間からの面や突きなど大技に向いています。
柄短の竹刀はこちら
柄長
3.9の竹刀に3.8の柄革を用いるというように、本来適寸ではない柄革を用いて、柄を長めに調整した竹刀。近間での操作がしやすく、小手技、引き技などの小技を効かせるのに向いています。
柄の太さ別
柄の太さも、いろいろあります。ただ、柄の太さは、後から調整できるものではないので、竹刀選びの段階で太さが決まります。
通常の柄
一般的な竹刀の太さのもの。直径25mm程度。
最初の一本は、まずはこれを求めることが多いです。
柄細
通常の柄よりも若干細いもの。
手の小さい人や女性などが好んで使うことが多いです。
ただ、手元が細い分、重心が剣先によることになり、通常の竹刀より重く感じられるでしょう。
柄太
通常よりも、柄が太いもの。
手の大きい選手が好んで用います。また、握力が強い選手の場合、あまり柄が細いとしっかりと握ることができなくなるため、柄太を用いることがあります。
また、手元に重心がきますので、振りは通常の竹刀より軽く感じられます。
柄太の竹刀はこちら
素材別
竹刀を作る素材によって、大きく6つに分けられます。
桂竹(けいちく)
最も普及している素材。市販の竹刀のほとんどがこの桂竹で、台湾真竹といわれる桂竹が用いられています。真竹に比べて安価ですが、繊維が細く多いため硬く長持ちします。
ただ、折れたり、ささくれが出やすかったりという性質があります。
真竹(まだけ)
真竹は、繊維の密度が高く、柔らかい、色つやも良いという特性を持ちます。割れやささくれ、しなりも少なく、耐久性が高いですが、原料の竹が少なくなっているため、希少で高価な竹刀が多くなっています。海外産と日本産があり、海外産のほうが安価です。
青竹
一般に、竹刀は煮沸・乾燥して仕上げますが、青竹は日陰で長い時間をかけ、じっくりと乾燥させたもの。独特な色合いと雰囲気を持っています。自然に乾燥させたものなので、繊維にねばりがあり、割れにくいと言われています。
真竹青竹
真竹を日陰で長い時間かけ乾燥させたもの。主に高段者に好んで使われます。
燻竹(くんちく)
竹を燻して色や香りをつけたもの。燻すことにより、竹刀の耐久性を高めています。
ソリッドバイオ
高温での燻煙、過熱による熱軟化現象で、木繊維・リグニンなどのソフト化と竹の内部に元々ある樹脂液の均一化とにより、粘度・弾力性を向上させ、さらに竹の硬度を高める利点が生まれます。ささくれが起きにくく、安全面にも配慮されています。
ソリッドバイオ竹刀はこちら
カーボン
竹で怪我をする危険を減らす目的から作られた炭素素材の竹刀。竹製の竹刀に比べて20~30倍以上の耐久性を持っています。竹のように割れたりささくれたりすることがなく、手入れが簡単な一方、1本が約2万円と高価になっています。
カーボン竹刀はこちら
ブランド竹刀
厳選した材料から職人が手造りで、バランスを調整した竹刀。
手造り特製真竹 実戦直刀 國義之作 39
真竹特有の肉厚を生かし、極限までバランスを調整した実戦胴張。
世界選手権代表メンバーなどの有名選手の愛用者も多い人気の竹刀です。
真竹古刀型 柄太 “無幻”(銀)
中国真竹の中では圧倒的に人気の竹刀です。
重めの厳選材より削りあげた立面タイプの直刀型。國友錬太郎選手も使用されていました。
その他の厳選竹刀はこちら
まとめ
形、素材など、様々な種類のある竹刀。
自分にちょうどよい竹刀だと“腕の一部となる”とまで言われますよね。
いろいろなものを試して、「これは」という一本をぜひ見つけてみて下さい。
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