剣道の防具の中でも、ひときわ存在感を放つのが「胴(どう)」です。
見た目のデザインや塗りの美しさに目を奪われがちですが、胴の持つ本来の役割や正しい選び方を理解しておくことはとても大切です。
体にしっかり合った胴を身に着けることで、打突の安定感や動きやすさが格段にアップします。
この記事では、剣道の胴の基礎知識と選び方のポイント、防具サイズの見極め方を初心者にも分かりやすく解説します。
目次
- 胴とは?その役割と構造
- 胴を構成する各パーツの特徴
- 胴台の仕上げ加工とデザイン
- 剣道胴の選び方とサイズの見極め方
- 女性におすすめの胴選びポイント
- まとめ:自分に合った胴で剣道をもっと快適に
1. 胴とは?その役割と構造
胴は、剣道の防具の中で胸から腹部、脇下を保護するパーツです。
打突を受け止める重要な部分であり、動作の安定や安全性を支える役割を担っています。
剣道を始めたばかりの方の中には「デザイン重視」で選んでしまう人もいますが、実は胴には複雑な構造と機能があります。各部位ごとの特徴を理解しておくことで、自分に合った防具を見つけやすくなります。
2. 胴を構成する各パーツの特徴
● 胴胸(どうむね)

胸部を守る部分で、芯材にはフェルト・綿などを使用し、それを革で覆って仕上げます。
胸には伝統的な装飾「雲型」や「蜀紅(しょっこう)」が施されており、これらは単なる飾りではありません。
-
雲型などの胴胸飾り:剣先が胸に当たった際、衝撃を分散し首や脇へ剣先が流れるのを抑える働きがあります。
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蜀紅:芯材と革を固定し、剣先のズレを防ぐ実用的な役割を持ちます。
また、雲型飾りや三階松飾りなど伝統的なデザインを組み合わせたタイプも人気。蜀紅の色や模様も豊富なので、個性を出したい方におすすめです。
● 小胸(こむね)

脇から竹刀が入り込まないように保護する部分。
「足付き」「持ち出し付き」とも呼ばれ、1本足〜3本足まで種類があります。
足の数が増えるほど高価になりますが、体が小さい人や女性は、足が多いと脇が窮屈に感じることも。
幼年用の胴には省かれている場合も多く、体型に合わせたバランス選びが重要です。
● 胴台(どうだい)

胴の中でも最も目立つ部分で、腹部や脇を守ります。家紋を入れるなど、個性を出しやすい部分でもあります。主に以下の3種類があります。
① 竹胴
竹を牛革で貼り合わせ、漆で仕上げた伝統的なタイプ。衝撃吸収性が最も高く、職人技が光る一品です。竹の本数(43本・50本・60本)によって価格が異なりますが、強度はほぼ同等です。
② ヤマト胴
ナイロン樹脂製で、軽くて丈夫。50本型や60本型など、竹胴の形を再現したタイプが多く、扱いやすいのが特徴です。
③ ファイバー胴
パルプ繊維を圧縮して樹脂で固めたタイプで、ヤマト胴より軽量。初心者にも人気が高く、コスパの良い防具として広く使われています。
● ヘリ革
胴胸と胴台を組み合わせる際の縁を保護する革。
「返しべり(折り返し処理)」と「切りっぱなし」の2種類があり、返しべりの方が高級感があり、竹刀の滑り止め効果もあります。
3. 胴台の仕上げ加工とデザイン
胴台の仕上げには主に「漆塗り」が使われます。
漆は見た目の美しさだけでなく、革の保護にも効果があります。
国産漆は全体のわずか1%と希少で、塗膜が強くツヤが長持ちするのが特徴です。
代表的な塗り方には以下の種類があります:
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呂塗り:最も定番。磨き上げることで鏡のようなツヤを出す高級仕上げ。
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黒塗り(つや消し):落ち着いた印象で、傷が目立ちにくい。実戦派に人気。
さらに最近では、石目塗・EMBO・玉虫塗・鮫胴(エイ皮貼り)など、個性的な加工が増えています。
中には「サンドブラスト加工」で桜や龍などのデザインを施す職人店もあり、世界に一つだけの胴を作ることも可能です。
オリジナリティを求める方には、こうした特注加工もおすすめです。
4. 剣道胴の選び方と防具サイズの見極め方

画像の出所:株式会社東京正武堂
「剣道 胴 選び方」でよく検索されるポイントは、サイズ感とバランスです。
胴のサイズは身長とウエストを基準に決められますが、同じ数値でも体格や性別によってフィット感は異なります。
ここでは、サイズ表だけでは分からない3つの重要なチェックポイントを紹介します。
① 胴胸と胴台のバランス
胴を横から見たとき、胴台が胸の方向に緩やかにカーブしているとバランスが良い証拠。
バランスの悪い胴は装着時に重さを感じたり、安定せずにブレやすくなります。
突き垂れとの位置関係が窮屈に感じる場合は、胴台を少し低めに設定すると快適になります。
② 胴胸の幅
胴胸が広すぎると、腕を振ったときに当たってしまい動作の妨げになります。
購入前には「腕を振り下ろしたときに胸がつかえないか」を必ず確認しましょう。
③ 着用感と隙間チェック
正しいサイズの胴は、装着時に両脇にこぶしが半分入る程度の隙間ができるのが理想です。
大きすぎると動作が重くなり、座礼時に首につかえることも。
逆に小さすぎると防具の隙間から竹刀が入り込み、危険です。
また、竹製胴は乾湿や体型の変化で幅が変わることがあります。違和感を感じたら、内側に竹を入れてベルトで固定し数日置く調整法も有効です。
5. 女性におすすめの胴選びポイント
剣道の防具は基本的に男女共通の設計です。
そのため女性はサイズが合わず、「胴胸が当たる」「突き垂れがかぶる」などの悩みを抱えやすいです。
もし、蹲踞(そんきょ)の姿勢で胴が首や胸に当たる場合は、胴胸・胴台を数センチ小さくするだけで動きがぐっと楽になります。
また、小胸の足の本数を減らすのも一つの方法です。
体にぴったり合った胴は、見た目もすっきりし、剣道の所作も美しく見えます。
女性用のカスタムオーダーも増えているので、一度防具店に相談してみましょう。
6. まとめ|体に合った胴で剣道をもっと快適に
剣道の胴は、単なる防具ではなく「安全性とパフォーマンスを支える重要な装備」です。
自分の体に合ったサイズ・バランスを選ぶことで、動きやすく美しい剣道が実現します。
見た目のデザインも大切ですが、まずは胴選びの基本を押さえ、自分にぴったりの胴を選ぶことが上達の近道です。
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